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「ヒョン。おはようございます」
目覚めの瞬間から、菅野Aの表情は天使の微笑みに満ちていた。
RM「あ、あぁ。おはよう」
ナムジュンは朦朧とした意識の中、あまりの眩しさに目を細める。
それは窓から差し込む朝日のせいか、それともAの放つ輝きのせいなのか。
JH「相変わらず早起きだな〜、A」
ホソクはそう言ってまだ眠そうに目を擦る。
こうして宿舎で眠る仮メンバーの７人を起こすのは、Aの毎朝のミッションだ。
これはシヒョクの提案で決まったことだが、やはりまだどこかAを女だと意識している彼等は、目覚めの直後ということもあって、Aを見るたびどうしてもどぎまぎしてしまう。
誰よりも逸早く慣れたのはホソクとユンギだろうか。
ホソクに関しては割とそういうことを気にしない質だから頷けるが(相手が正真正銘ただの女性ならば別だ)、ユンギはそもそも寝起きがとても悪く、相手をAと認識するのにただ時間がかかっているだけのような気もする。
しかし他のメンバー、特にナムジュンは毎朝落ち着きを取り戻すまでに未だ時間がかかる。
とは言え、たとえ心で焦っていてもそれを表に出さないのがナムジュンだ。
「今日はオフだから起こすか迷ったんですが、一応、代表から毎日やれって言われてますし」
そう言って苦笑するAは、本当にただの爽やかな少年に見える。
それを不思議に思いつつも、ナムジュンはこの次に起こされるであろうジミンとジンが毎度恒例の雄叫びを上げる様を想像してくすりと笑った。
JH「そういえば今日はオフかぁ。A、オフは初めてだよね。何すんの？」
「そうですね、特に何も決めてないんですが。……でも、ダンスの練習かな」
JH「ダンスの練習？ どこで」
「それはもちろん、会社のスタジオで」
JH「なんだA聞いてないの？ 今日はスタジオは空いてないよ。なんでも、社員総出で会議だとかで……」
ホソクが言うと、Aは嘘だろう、と眉を下げた。
日々昼夜問わず練習に明け暮れているくせに、よくそんな顔ができるな、とナムジュンは思う。
少しくらい休んだ方が身のためだ。
RM「それなら、観光にでも行く？ 韓国に来てからまだどこにも行ってないんだろ」
「観光、ですか」
ナムジュンの提案に、Aはしばし考えた後、またいつもの微笑みを湛えて頷いた。
「いいですね。僕、ソウルの街を歩いてみたかったんだ」
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
