Life of BTS はじまりの鐘 (ページ36)

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分かるようになった。
だから昨夜のAがいつもと違うことに気付けたのだと、ナムジュンは言う。

JH「でも、何言われたんだろうな……もしプロジェクトから降ろすって言われたんだとしたら、俺らにもすぐに伝わるはずだし」

RM「たぶん、何かしら新しいミッションが与えられたんだろうって俺は考えたけど」

以前、Aがメンバーと強制的に交流する機会を設けるために代表から与えられた『起床ミッション』。
そのミッションに終わりが告げられたのは、丁度１か月ほど前だ。

寝覚めの瞬間の、まだしっかりしていない視界の中に飛び込んでくるAにジミンやジンが叫ぶ姿を、なぜか恋しく思う。
ミッションは確実に成果を結び、終わる頃にはAを変に"女"だと意識するメンバーも減った。

ただ、ジョングクだけは最後までほとんど反応すら見せなかったが。

RM「他のメンバーがもっとあいつを知ろうと動かないから、こうなるんだ」

JH「だ・か・ら！俺は比較的あいつと話してる方よ！？」

RM「話すだけじゃダメだろ。相手を知らなきゃ、受け入れる事もできない。まぁホソギやジミンはまだマシな方だとしても、ジニヒョンは実は気を遣ってるのが丸分かりだし、ユンギヒョンに至っては事の重大さに気付いているのかいないのか……。ジョングガもずっとあんな感じだし」

本当のところ、性分でもないのに自らAを誘い出し、２人で食事をしたナムジュン。
それはリーダーとしての責任感ゆえの行動だが、それで得たものは大きい。

しかしながら中々自ら行動しようとしない他のメンバーに、ナムジュンは思わず長ったらしい愚痴を零してしまう。
彼はこのままデビューすることに少なからず懸念を抱いているのだ。

RM「それに……」

JH「それに？」

RM「テヒョナに関しては……、もう警戒しているわけじゃなさそうだけど、なぜかAを女の子扱いしてる」

JH「あぁ、それ俺も思った……」

RM「まぁ、Aが"女"だってバレるようなことはしてないから、あいつなりに考えがあってのことだろうけど……。ほんと、テヒョナは何考えてるか分からない」

そう言って頭を抱えだしたナムジュン。
圧し掛かるリーダーとしての苦悩を垣間見たホソクは、同じ学年の友として、彼を慰めるように背中をさするのであった。