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「はい、次！」
秘書に促され前に出た少年は、とても美しい人だった。
「僕はテヒョン。芸名はV。よろしくね〜」
見た目とは裏腹に随分と低い声質の彼は、満面の笑みでそう言った。
だが彼は手を差し出すことなく、後ろに下がってしまった。
「そして最後、キミ！」
最後に前に出たのは、黒髪の爽やかな外見が特徴の少年だ。
韓国人らしくない顔つきに、Aは僅かに目を丸める。
「俺はジョングク。まさか女性がここに来るなんて驚いた……。よろしく」
彼は無表情のまま、どこか鋭さを含んだ視線をAに向けた。
「以上、彼等が現時点で防弾少年団に決定している面々だ。他にも練習生は沢山いるけど、キミに紹介するのは彼等だけで十分だろう。
これからデビューに向けて練習を共にしてもらう。
既に話には聞いていると思うが、Aは性別は女性だが心は立派な男性だ。
もちろん恋愛対象も女性。
女性だからと構えず安心して、みんな、仲良くしてやってくれ」
そう言い残しスタジオを出て行った秘書。
スタジオ内には沈黙が漂った。
JN「ま、まぁ、やっとあいつの穴を埋めてくれそうな人が現れてくれたことだし、ここはパーッと……」
JK「俺は認めない。中身がどうであれ、女がボーイズグループでデビューなんて、有り得ない」
空気を変えようと乗り出したジンを、ジョングクの冷たい一言が遮った。
JM「ま、まぁ落ち着けよジョングギ。秘書や代表がここに連れてきた人だし、きっと悪い人じゃないよ」
JH「でもさ、やっぱ女だし？ もう既に防弾少年団はボーイズグループだって発表されてんのに、女が入ったってなったらデビューしてもファンつかないかも……」
TH「それは確かに。特に女性ファンって、そういうところ厳しいしね」
再び重い空気が漂い始める。
するとその時、スタジオの扉が勢いよく開かれた。
「おいおい、練習時間はとっくに始まってるぞ。トレーナーが遅れても、時間が来たら練習を始めろって最初から言われてるだろ」
現れたのは防弾少年団専属のダンストレーナーだ。
これからダンスのレッスンが始まる。
トレーナーが現れるなりピンと背筋を張った少年たちは、そそくさと定位置についた。
「おう、キミも今日から来てるのか。
オーディション以来だな。
俺は女だからって手加減しないから、しっかりついて来いよ」
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
