窓際の猫

33(JKside) ページ33

*


Aは
テヒョン先輩と私はそういうのじゃない
とか言っときながら




ヒョンのタイプだの
気になってる人がいるらしいだのと

言ってる事と
俺に伝える事の辻褄が全然あってない。



ヒョンのことなんて
改めて聞かなくたって知ってる。


気になってる人がいるってのは初耳だったけど…








お終いには、協力してほしいのか聞いたら

あっさり"そうだよ"って






俺だって自分の気持ちに気づいて、

やっと正直に行動しようと思ったところだったのに






なんの迷いもなく
ヒョンとのこと協力して欲しい
って言われたら

どうしようもない気持ちになる。









「私はジョングクのためを思って！」

「ジョングクに足りないのはね、面白さなの！こんなことでイライラしてたら嫌われるよ！！」







さっきから
コイツの言ってる意味が全然分からないし
頭に入ってこない



けど、その一言には引っかかった







『こんなことなんかじゃない。
俺は、Aのことが…！』









好きなんだ






でも結局それは伝えられなかった。






正直言って俺はまだ
Aのことよく知ってるとは言えないし


今感情に任せて気持ちを伝えるのが、


一番は、Aの口から
はっきりヒョンの事が好きだと聞くのが、

そうやってフラれるのが、


怖かった。










俺にとって、この大切な気持ちは


どうせならやれるところまでやってから伝えたい。




頑張るって決めたわけだし
ヒョンに負けるわけにはいかない。








『こうなったら何でもやってやる』









でもよりによって

なんで覚悟を決めた一発目がお笑い…(ｰｰ;)




ーーーーーーーー


「ほら、ジョングク！こういうときは、
高低差で耳キーンなるわ！とか面白い返ししないと！」



『高低差で耳……？』




「耳キーンなるわ！！」






さっきからなにやってんだ…笑


しかも面白い＝関西弁なの？笑







河川敷で朝っぱらから、


これじゃまるで若手芸人のネタ合わせ









「じゃあ次は、例えツッコミの練習ね！」









けどこうやって


なんでか分かんないけど真剣にやってるAが



少しだけ面白くて、ほんの少しだけ可愛いから









『…お好きにどうぞ』








この時間も悪くない…かな。

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