『バルコニー舞踏会#お坊っちゃまスキル』 榊原タツキ ページ8
「Aちゃん、みーっけ！」
そう言って私の背中に抱き付いて来たのは
「タツキ君」
その手にはいつも一緒にいるピンクのお友達は居ない
そんな彼の顔を見ればさっきの声とは真逆の今にも泣きそうな顔をしている
それもそのはずで、私は彼氏であるタツキ君とペアを組まずに、名前も学年も知らない男とペアを組んだのだ
「どうしてペア組んでくれなかったの？？僕のこと嫌いになっちゃった？」
そんなわけない彼のことは大好きだ
首を横に振れば、彼は一層悲しい顔をする
「じゃあ、どうして？」
「タツキ君にダンスパートナーを申込むのは皆、美人さんや可愛い子でしょ？タツキ君に相応しい子ばかりだよ」
「パートナーに相応しいとか関係ないよ
それを言うなら、Aちゃんが組んだあの人だって相応しくない
リードされなきゃ踊れないし、Aちゃんをほったらかしにするなんて有り得ないもん」
私は驚いた
彼の口から普段は言わない悪口が出たこともそうだが、彼は舞踏会中ずっと私を見ていたのだ
そして何より彼が怒っている
いつもふんわりしている彼は悪口を言わないどころか、怒ることさえない
そんな彼が怒っている、と言うよりも嫉妬している
こんな時にこんなことを思うのは場違いで失礼であることは分かっているのだが、
「嬉しい」
「えっ？」
「タツキ君がいつもは見せてくれない表情を見せてくれたのが凄く嬉しい」
「Aちゃん...」
「ごめんね、私、タツキ君の気持ち全然考えてなかった
お詫びと言ってはなんだけど、今からでも私と踊ってください」
「も、もちろん！！」
片手は彼と繋ぎ、片手は彼の肩に置き、微かに聴こえてくる音楽に合わせてステップを踏む
私は彼はどちらかと言うとリードされる側だと思っていたが、それはとんだ勘違いだった
リードされてるのは私の方だ
流石はお坊っちゃまと言ったところか、こういうことは慣れているようだ
私以外の女性と踊ったことがあるのは間違いないだろう
どんな女性だったのだろう
ここには居ない顔も知らない女性に嫉妬しても何も始まらない
今はこの空間を楽しむことに集中しよう
私は今日、少しの発見をした
優しいタツキ君も実はお坊っちゃま気質があること
そしてタツキ君も私もヤキモチ焼きだということ
『もう僕以外の人とペア組んじゃダメだよ？』
『バルコニー舞踏会#臆病と強引なLOVER』 泉奏→←『バルコニー舞踏会#溺恋student』九龍ケント
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
