『そっちは右手』 九瓏ケント ページ45
「悪いなこんな時間に呼び出して」
「んーん、それより何か用があるんじゃないの？」
「あぁ、今からちょっと遠出したいんだけど大丈夫か？」
「大丈夫ですよ、明日は休みだし」
「ありがとう、遅くならない内に早速出るか」
夕飯を食べ終えて直ぐにケントさんから会いたいと連絡が来た
こんな時間に彼からの我が儘は珍しく、会ってからも彼はどこかソワソワしている
特に気にすることもなく、彼の愛車に乗り込み、着いた場所は都内から少し離れた彼の好きな海辺だった
「少し歩こうか」
手を繋いで砂浜を2人で歩くが、彼はやはりソワソワしている
こういう時はだいたい何かを企んでいる時だ
「ケントさん」
「どどっど、どうかしたか？」
「動揺しすぎ
いったい何を企んでるの？」
「あー、ちょっと待って」
そう言って彼は一度深く深呼吸をすると私に向き直り真剣な表情に変わる
私の両手を自分の両手で包み込むと彼は話始めた
「いいか？一回しか言わないからよぉく聞いてくれ」
「はい」
「俺らは元々教師と生徒で、先生的には今までの生徒達と同じ可愛い教え子だとそう思ってたけど、気付いたらAを生徒としてではなく、1人の女性として目で追ってた」
「卒業式の次の日にここで告白してくれましたね」
「Aは涙を流しながら笑顔で、嘘だったらぶん殴るって言ったな」
「でも、嘘じゃなかったから凄く嬉しかった」
あの時は本当に嬉しかった
何度夢ではないか確かめたことか
「そしてあれから4年経った
大きな喧嘩もしたし、お互い仕事が忙しくて全然会えないこともあった」
「本当に色々ありましたね」
喜怒哀楽をやっと覚えた様な
視界が色付いた様な感覚だった
「今までの人生で凄く速い4年間だった」
「私もです
ケントさん、何が言いたいの？」
「恋人を辞めたい」
「え？」
どういう、こと？
「A、勘違いしてるだろ？
最後までちゃんと聞いてくれ
俺はAと共に年老いて、先に死のうが後に死のうが、同じ墓に入りたい
いつまで経っても子供みたいだって言われる俺と一緒に皺を増やしていってほしい
結婚してください」
そう言ってポケットから指輪を出して私の右手の薬指に指すおバカさん
「ケントさん違うよ、左手こっち」
「あ、そっか」
いつもは本当に少年みたいなのに、ふと大人の表情を見せたり、唐突なアイディアを出したり、変な所で緊張する
「ケントさんと結婚出来る人なんて私くらいしか居ないよ」
「それもそうだな
A、愛してる」
『香水+そわそわ=カンチガイ』 神生アキラ→←『ペット卒業』 朴ウィト
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
