『新年と風邪とお楽しみと...』 九龍ケント ページ5
新年を祝い、初日の出を見て、おせちとお雑煮を食べ、初詣に行く
これが一般的元旦の流れだろう
しかし今年はそのどれもが出来ないでいた
何故なら、今、私の目の前で肩で辛そうに息をし、顔を火照らせて寝ている彼、九龍ケントが年末から引いていた風邪を拗らせたからだ
その看病にあたっている内に、おせちとお雑煮を作る暇も無く、気付けば年を越しており、窓から見るだけでもと思っていた初日の出も寝過ごして見逃してしまったというわけだ
もちろん、初詣など行ける状態ではない
「ケントさん、卵粥作りましたよ
起きれますか？」
「ん...」
いつもは誰よりも子供っぽい彼も高熱には負ける様で、風邪を引いてからはずっとこの調子である
起きようとする彼の背中を支え起こし、粥を木匙に乗せ彼の口元まで運ぶ
お茶碗一杯分の粥を食べさせた後は薬を飲ませ、彼が眠るまで彼の手を握り頭を撫でる
熱に浮かされ悪夢を見て以来、彼は風邪を引いたらこうしないと眠れなくなった
どんな悪夢を見たのかは未だに聞かせてくれないが、悪夢を見る度に『どこにも行かないで』と言うので、大方私が居なくなる夢なのだろう
夢の中の私は何をやっているんだ
「A..」
ケントさんも眠り、私もゆっくりしようとソファに座り読書をしようとした時、リビングにふらふらの彼が表れた
「ケントさん、目が覚めちゃいました？それともお水？」
立ち上がり、倒れないようにと彼に近付いたら、力無く抱き付かれた
また悪夢でもみたのだろうか
「ごめん...」
彼からの突然の謝罪に何のことか分からず抱き締められたまま首を傾げる
「本当はおせち作りとか手伝って楽しく新年を迎えて海で初日の出見る予定だったのに」
あぁ、彼はそんなことを考えていたのか
きっと今の弱気な彼のことだ
私が呆れてるとか何とか色々考えての謝罪だったのだろう
「ケントさん、新年を迎えるのは今年だけじゃありませんよ？来年も再来年もずっと一緒に新年を迎えましょう？それにね、好きな人じゃなきゃ年末年始家に籠って看病なんてしてませんよ」
「A....」
「だから、今は体調を治すことだけ考えて？ケントさんが元気無いと私まで元気がなくなっちゃいますから」
そう言って彼の頬にキスすれば余程嬉しかったのだろうか、抱き締める力が少しだけ強くなった
「そりゃあ参った..早く治さなきゃな」
そう言って彼は私に口付けようとして寸止めし、一言だけ残してベッドへ戻って行った
『お楽しみは治ってからな？』
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
