『私より、今日も声を』 朴ウィト ページ38
「Aちゃん！」
「ウィト君、こんにちは」
「こんにちは！今日は何を歌ってくれるの？」
「今日はね」
君は覚えてるかな？
君は知ってるかな？
君に伝わってるかな？
君に初めて出逢ったのは、小等部低学年の時
私は暗くて笑顔が下手くそでクラスに馴染めず、保健室に通っていた
歌うことが好きで保健室の窓を開け、運動場を眺めながら歌っていた私に君は
「おうた、上手だね！ぼく、うぃとって言うの！君は？けがしてるの？」
「え、えっと、わたし、A
けがはしてない」
「じゃあ、何でほけんしついるの？」
「あ、あの、それは、えっと..」
「？まぁいいや！ね！あそぼ！おだんごつくったげる！」
そう言って笑顔で私の手を引いて外へ連れ出し、笑顔を教えてくれた
それ以来、少しずつクラスに馴染み、保健室からクラスの教室に登校出来るようになったけど、クラスは違う上に広すぎる九瓏ノ主学園で君を見付けることは出来なかった
君を見付けられないまま中等部まで過ごし高等部に上がった春
散りかけの桜を見ながらあの曲を音楽室で歌っていた私を君は見付けてくれた
「歌、スッゴく上手ですね！あ、吃驚しました？帰ろうとしたら凄く綺麗な歌声が聴こえて辿ってみたらここに着いたんですよ！あ、その名札の色、1年生ですね？僕もなんです！僕、朴ウィトっていいます！どうぞ宜しく！！」
「私、Aっていいます！宜しくね朴君」
「朴君なんてやめてくださいよー！ウィトって呼んでください！僕もAちゃんって呼びますね！あの、もう一回歌ってくれませんか？僕、その曲大好きなんです！」
君が私を覚えていなくてもまた逢えた、君のその変わらない笑顔で話しかけてくれた、君が私の歌を聴きたいと言ってくれた事が、とてもとても嬉しかった
それから君が毎日一緒にお昼休みを過ごさないかと誘ってくれた時は内心舞い上がる様に喜んでたんだよ
毎日お昼を共にして歌を聴かせたり、一緒に歌ったりする内に色んな感情が溢れて忙しくなった
君の一言にドキドキしたり、嬉しくなったり、悲しくなったり
それが恋だと分からず、そのまま貴方に伝えたら君は顔を真っ赤にして
「僕も好きです！！」
と大声で告白してくれたね
その時、初めて私は恋を知ったよ
君は知らないかもしれないけど、私は沢山のものをもらってきた
その恩返しに君が許してくれる限り、私は君の隣で歌い続ける
大好きな君が望む限り、君だけのために、この声を奏でる
元気で力強くて優しいウィト君へ
『馬鹿バカおばか』 泉奏→←『時を越える思いで今、君に』 榊原タツキ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
