『教えてMy teacher』 九瓏ケント ページ28
「この元素とこの元素が合わさるとー...」
決して得意だとは言えない科学の授業中
心地よく鼓膜を震わせる声に耳を傾けながら、チョークで少しだけ汚れてる白衣によく映えるその綺麗な紺色の後ろ髪を目で追う
このままずっと見つめ続けたら彼はこの気持ちに気付いてくれるだろうか？
いや、大人の彼は子供の私の気持ちに既に気付いているかもしれない
そんなことを考えている間に授業の終わりを告げる鐘が鳴る
「クラス委員はノートを集めて放課後、提出するように
以上、今日の授業は終わり！」
日直の号令に合わせて礼をして授業を終える
放課後になり、クラス委員の私はノートを集めて、1人でクラス全員分のノートを抱えて科学準備室へ向かう
クラス委員はもう1人いるのだが、生憎今日は体調不良で休みだ
科学準備室の前へ来ると扉の隙間から煙草の臭いがする
入りたくないという気持ちを押し込めてノックをすると、どーぞーと言う間延びした返事が返ってくる
失礼は承知の上で無言で部屋に入り、彼が愛用している机にノートを置いて、窓辺で煙草を吸っている科学教諭の九瓏ケントの隣に立って同じ様に外を見る
「ノートありがとな
1人で大変だっただろ」
「1人だって分かってて言ったくせに」
「授業中、2人きりになりたいって顔してたのはAだろ？」
そんな顔をした覚えはないが、そう思っていたことは確かなので否定が出来ない
少しだけ悔しくて拗ねてみると、彼は煙草を灰皿に棄てて窓のシャッターを閉め切ると同時に噛み付く様なキスを交す
彼には私の思考が全てお見通しらしく、それにほんの少しの恐怖と悔しさを感じつつも、幸福感で満たされるこの瞬間がとてつもなく好きだ
唇を離しておでこを合わせたまま、彼の瞳を見つめる
先生と呼ぶと、ん？という優しい声と共に微笑みが返ってくる
やっぱり..
「私、先生が考えていることが分からない」
どうしていつも私がして欲しいことが分かるのかずっと不思議でならなかったことを話すと先生は笑いながら何でだと思う？と返してきた
「分からないからきいてるんです」
「拗ねてるところも可愛い」
「誤魔化さないでください」
「ごめんごめん、何で先生がAの考えてることが分かるかだったっけ？」
「はい、何で分かるんですか？」
「それはなー...」
勿体ぶる先生に先を急かすと、秘密と言う言葉の直ぐ後にキスの雨が降ってきた
そうされると私が何も言えないことを分かってのことだろう
悔しいムカつくでも
そこが大好き
『君と僕とで甘いの二乗』 榊原タツキ→←『Winter's in Summer』 神生アキラ
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
