『catのlunchは#お高い缶詰めに気を付けて』 榊原タツキ ページ24
「ちょっと待ってね！今、開けるから」
そう言いながら、コンビニやそこらのスーパーでは見たことがないお高そうな猫缶の蓋を開けようとしているのはクラスメイトで金持ちお坊っちゃまの榊原タツキ君だ
お坊っちゃまと野良猫と猫缶という普通では見ることが出来なさそうな風景に少し笑えて来るが、我慢して笑いを堪えて観察を続ける
彼が缶を開封し、スプーンで中身を綺麗な皿に出して猫に差し出すと猫はお腹が空いていたのか、勢い良く食べ始めた
その猫の姿を見る彼の顔はこちらからは見えないが、きっと笑顔なのだろう
彼が猫に嬉しそうに美味しい？ときく声が聞こえてくる
ふと彼の手元を見ると缶の蓋をプルタブではなく、鋭い側面を持っている
あれでは怪我をしてしまう恐れがある
見かけたフリをして何気無く声をかけようか
そんなことを考えている間に、痛っと彼の声が聞こえた
やはり指に怪我を負ってしまったようだ
これは見ている場合ではないと思い、彼の元まで駆け付け、持っていたハンカチで先ず止血をする
「Aちゃん！？」
「驚かせてごめんね
タツキ君の声が聞こえたから見てみたら怪我してたから居ても立ってもいられなくて」
「そ、そうなんだ？ありがとう」
「どういたしまして」
我ながら上手いこと嘘は言ってないと思うし、多分だが彼も気付いていない
傷は浅かったのか血は直ぐに止まったので絆創膏を貼る
「本当にありがとうAちゃん！」
「どういたしまして
次から缶の蓋は鋭い所じゃなくてプルタブを持たなきゃ駄目だよ？」
言ってから自分がしくじったことに気付く
これでは最初から見ていたと言っている様なものだ
しかし彼は呑気にはーいと返事をするだけで気付いていない様だ
良かったと息をついて今度は彼との距離の近さに気付く
彼も気付いたのか顔を真っ赤にしている
「猫可愛いね」
「そそ、そうだにぇっ！」
距離はそのままに話しかけたら彼は噛んで焦りながら顔を隠してしまった
まるで恋する乙女の様だ
そんなことをしたら
「好きだって勘違いしちゃうよ？」
少しの期待と少しの冗談を込めて彼に思いきって言うと、彼は尚更真っ赤になって
「勘違いしてください」
怯えている様に声を震わせながらそう言った
今、彼に返事を込めたキスをしたら卒倒してしまうかもしれない
そう思いながらも首まで真っ赤になって私を見つめる女子よりも乙女な彼にキスをする
キューピッドキャットは私達になんて目もくれず高級猫缶を貪っていた
『catのlunchは#GYONISO』 泉奏→←『catのlunchは#秘密が隠し味』 九瓏ケント
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
