『catのlunchは#秘密が隠し味』 九瓏ケント ページ23
「昨夜は忘れててごめんなー？早い時間から飲んだら酔っちゃってうっかり忘れてたんだよ」
そう言って猫の前に小さな器を2つ出すのは科学教諭2A担任、生徒(特に女子)に人気の九瓏ケント先生だ
猫にどんな餌を与えたのだろうか？この距離では小さな器の中身は見えない
そこで先生の周りを見ると猫用のミルクとキャットフードが置かれているのが見える
きっとあれをわざわざ猫のために買ってあげたのだろう
別に水でもいいのに猫用のミルクを買うなんて見事な徹底ぶりだ
「いつも授業とかは適当なくせに...」
思わず口にした言葉にハッとして口を手で抑えるが、時既に遅し
先生が気付いて座ったままこちらを見ている
「誰が適当だって？A？」
しかも私の言葉をしっかり聞いていたようだ
隠れるのを諦めて先生の隣に座る
猫は最初から私に気付いていたのか、それともお腹が空いていたのか、逃げもしなければ、私を一切見ることもなく器の中身を空にしていく
「先生、地獄耳なんですね」
「褒め言葉として受け取っとく
Aはこれから読書か？」
「読書の予定だったけど、先生の観察に予定変更しました
可愛い猫ですね
先生、飼わないんですか？」
「先生、寮監だから飼えないんだよ」
クロノス学園は全寮制だから寮に1人監督の先生が住んでいるのだ
その男子寮の寮監が九瓏先生である
「マダムルナに頼まないんですか？」
「1回頼んだことあるけど、アレルギーを持ってる生徒もいるから駄目って言われて、寮内で飼うのは諦めて外で飼うことにした
マダムには秘密だぞ？」
そう言って、私に笑いかけながら人指し指を立て、それを口にあてながらシーッと言う先生はとても可愛い
こう言うのをあざとい言うのだろう
「分かりました、マダムには秘密にします」
「よし！これでAは共犯だな」
頷く私を見てﾆﾔｯと悪戯に笑う先生も好きだなと許してしまうのは惚れた弱味という奴だろうか
大人な彼のことだから、私の気持ちに気付いているかもしれない
それでもまだ言葉にしないのは、この距離を楽しみつつ保ちたいから
焦らなくていい卒業してからでも遅くない
Aはきっと何も気付いていない
Aが毎週この時間帯にこの場所を通ることが分かっていて、ここで餌をやっていることも、まだ言葉にしないこの気持ちにも
ゆっくりでいい成長を見守ってからでも遅くはない
だから同じ秘密を共有している
先生でも
Aでも
この秘密はまだ自分だけの秘密
『catのlunchは#お高い缶詰めに気を付けて』 榊原タツキ→←『catのlunchは#スルメよりも果物を』 神生アキラ
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
