『ワガママ眠り姫』 泉奏 ページ14
彼の寝顔を見る度に思うことがある
「眠り姫みたい」
「誰が？」
「起きてたの？」
「Aがごそごそし始めて目が覚めました」
彼が寝ていると思って起こさないように小さく呟いたが、どうやら彼は私が目が覚めた時から起きていたらしい
「起こしちゃってごめんね
起こさないように動いたつもりだったんだけど奏くんはやっぱり起きちゃうか」
「もう少しでいつも起きる時間なので大丈夫ですよ
で、誰が眠り姫みたいなんですか？」
上手いこと話を逸らしたつもりだったが、覚えの良い彼に話題を戻される
「奏くんの寝顔がね、凄く綺麗だから眠り姫みたいって思ったの」
「おれの寝顔が...？」
そんなわけがない
彼の綺麗な顔がそう言っている様に歪む
「だって奏くん、元々綺麗な顔立ちしてるし、寝てる時って微動だにしないでしょう？だから魔女の呪いにかかって王子が来るのを眠り待ち続ける眠り姫みたいだなと思ったの」
「おれは姫じゃなければ女性でもありません」
「だから、眠り姫"みたい"」
そう言い返せば彼は一層顔を歪ませる
どうやら納得行かないようだ
こんな時は話題を逸らすに限る
「奏くん、今日の朝ごはん何がいい？」
「眠り姫なら...」
「え？」
彼はまだこの話題を続けるらしい
何だか嫌な予感がしてならない
「おれが眠り姫ならAがおれを起こしてくれる王子の役目ですね」
「えっと、私が魔女って選択肢はないの？」
「Aは人を呪いにかけたりすることは出来ません」
出来ないと断言されてしまった...
確かに出来ないだろうが、まさか彼に断言されるとは
それだけ私のことを理解してくれている証拠だと思っておこう
「話を戻しますよ
おれが眠り姫ならAが王子
眠り姫は王子の口付けがないと目が覚めないんですよ？」
嗚呼、これは遠回しに毎朝のキスをねだられている
既に起きているじゃないかと言ってしまえば早いのだが、彼は案外子供っぽいところがあり、困ったことに一度拗ねるとなかなか機嫌を直してくれない
それに、きっとキスをしなかったら意地でもベッドから出ないだろう
「毎朝起こしてあげなきゃいけないなんて随分とワガママなお姫様ですね」
「おれがワガママになるのはAだけです」
「それはちょっとズルいなぁ」
そう言ってまだ眼鏡をしていないワガママなお姫様に目覚めのキスをする
結局のところ、私はこの眠り姫にとことん甘いらしい
「おはよう奏くん」
「おはようA」
姫に朝を迎えさせられるのは王子だけ
『扉越しと隙間でまた明日』 九瓏ケント→←『※遅刻はほどほどに』神生アキラ
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ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
