『バルコニー舞踏会#誤解を解いて』 神生アキラ ページ11
「こんな所にそんな格好で居たら身体冷やすぞ」
よく知っている聞き慣れた声に振り向こうとしたら肩から背中にかけて温かくなった
見なくても分かる
彼のグレーのジャケットだ
適当に肩に掛けられたジャケットは手で直さなければ今にも落ちそうだ
そんな下手くそな優しさを感じながら彼の顔を見れば予想通りの仏頂面だ
「アキラ」
「何でアイツが良くて俺が駄目なんだよ」
その言葉は実にストレートだ
私は彼氏であるアキラよりも先に申込んで来た彼のクラスメイトとペアを組んだ
理由は簡単だ
「だってアキラの方が遅かったんだもの」
「それだけかよ」
彼の声はどんどん怒気を含んで行く
それに対して私は冷めた声で返す
「それだけで私がアキラを断ると思う？」
「じゃあ何でだよ！」
短気なアキラは堪忍袋の尾が切れた様だ
「人気者のアキラは私なんてもう必要じゃないんでしょ？」
「は？」
「最近、私の親友と一緒にいることが多いみたいね
この前の休日も一緒にいる所を見たわ
あの子と浮気してるんでしょう？」
知らないなんて絶対に言わせない
あの日、部活だと言っていたアキラが、彼だったら入らない様な可愛らしい雑貨屋に私の親友と入って行く所を目の当たりにした
「それは...」
「ねぇ、アキラ、正直に言って？お願い」
「泣くなよ..それに、それは誤解だ」
「何が誤解だって言うの！？私には部活だって嘘ついたくせに！私のことなんてもう好きじゃないくせに」
「話を聞けA」
ジャケットの落ちる音が聞こえるのと同時に私はアキラの腕の中にいた
「やだ！離してよ！！」
「なぁ、頼むから話を聞いてくれ」
その腕から逃れようと試みたが、彼の声を聴いて動きを止めてしまう
私が抵抗することを止めたと悟ったのかアキラは話始めた
「あの人にはプレゼント選びを手伝って貰ったんだよ」
「プレゼント？」
「お前、今日誕生日だろ？そのためにお前に嘘ついてまで出掛けたんだけどまさか見られてたとは思ってなかった
それで結果、Aを傷付けたら世話ねーな
ごめんな、お前が嫌いになったんじゃない
お前に会った時からずっと、これからも大好きだ
誕生日プレゼント受け取ってくれねーか？」
そう言って差し出された半透明な小さな箱の中にはお洒落なネックレスが入っている
それを受け取って思いっきりアキラに抱き付く
「ごめんねアキラ大好き」
「俺はお前より大好きな自信あるけどな！
誕生日おめでとうA」
プレゼントとキスは日付が変わる直前に
『バルコニー舞踏会#No thank you』 ？→←『バルコニー舞踏会#妄想力パニック』 朴ウィト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» なるほど、2ですか...今後の執筆活動の内容として視野に入れさせて頂きます。短編はネタさえ貯まれば何とかなるのでネタと気分が貯まり次第、2を書かせて頂くと思います。それまで気長に待って頂ければ幸いです。 長々と失礼致しました (2015年2月15日 10時) (
レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 樹季さん» くだらない後書きを読んでくださったうえに、コメントでの嬉しい御言葉まで誠にありがとう御座います。選べないなんて言って頂けるとは思いもしなかったので、純粋にとても嬉しいです。 (2015年2月15日 10時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 私的にはとても嬉しく思います。ちゃ湖さんの決める事なので何も言えませんが１つの案として考えて貰えると嬉しいです。更新お疲れ様でした。そして長文失礼致しました。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
樹季(プロフ) - 終わられるのはとても寂しく感じますね。好きなのは選べません！そのくらいどれも好きなのです。ちゃ湖さんが良ければなのですが、この短編集の2と言うものを書かれてはいかがでしょうか。 (2015年2月15日 4時) (レス) id: 367d06e3bc (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ湖(プロフ) - 妄想少女Ｍさん» ネタ切れ故のネタ使い回しなうえに勝手に御名前を載せてすみません;; 喜んで頂けて良かったです。ネタが思い付かず、更新が滞ってしまうことが自分の中で半確定してますが、頑張ります。 ありがとうございます。本当にピンチな時に御力を貸して頂きたいです！ (2015年2月9日 19時) (レス) id: 780105eb5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃ湖 | 作成日時：2015年1月2日 4時
