趣味で歌い手やってたんですが、【stpr】

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『はじめまして、Aと言います。』





さとみくんの友達してます、と彼女が軽く会釈をしてきたので、釣られて会釈を返す。






さ「んで、こちらなーくん。ななもり。さんね」

な「どうも、ななもり。です」

『ほ、』

な「…？」









『本物だあ…』









絞り出した様な声。








刹那、隣のさとみくんが吹き出し声高らかに笑い出す。


やめてさとみくん、俺、鼓膜破れるかと思ったよ…。






Aさんはそんな笑い声の主をキッと睨み付け『笑わないでよ！』と批難しているけど、なかなか笑いは治まりそうにはない。


一度こうなったさとみくんは止められない――うん、放っておこう。







な「俺の事を知ってるってことは、もしかしてリスナーさん？」






Aさんへ声をかけるとはっとした彼女は俺の方へ向き直る。






『はい、いつも楽しく拝見させて頂いてます』






笑顔でそう言われると、素直に嬉しい気持ちになる。



ありがとうございます、と返すと彼女の笑顔が深くなる。









さ「いやー、今日はこいつをなーくんに会わせたかったんだよね」




いつの間にか笑いが治まってきたのか、さとみくんがヒィヒィ言いながらも話に入ってきた。





彼女は紹介出来る位信頼してる人なんだろう。





俺も礼儀正しくて笑顔が素敵な人だな、と思った。







――――――でも、









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