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23限目 ページ34

ーー


『……う』


ずきずき、頭が痛い。
冷気が頬を伝う。


ここはどこ?
目を開けると、白い天井が見えた。


「熱中症だって。もうちょっと休んだら送っていくよ。」


少し枯れた声が、頭上から響く。


『……幸村君』


幸村君の目元は赤い。泣いてたのかな。
起き上がりたかったのに体はすごく重くてだるい。


『幸村君、惜しかったね』


「勝てなかったよ」


幸村君は苦笑いをした。


『……私は楽しんできてねってしか言ってないもん』


「そうだけど、Aにトロフィー渡せなくなっちゃったからさ」


幸村君の冷たい手がおでこに触れる。


「それに、無様なとこ見せちゃったし、カッコ悪いね、俺。」

ちょっとだけ伸びた前髪を弄ぶように幸村君の手がおでこの上を動く。人に触られるのはあまり得意じゃないけど、幸村君にならいいかな、なんてもう諦めていた。


『頑張っててかっこよかったよ』


「……え?」


『…その、いっぱい頑張ったんだなって、伝わったから……今日1番かっこよかった』

目をそらすと幸村君はしばらく黙り込んでぐしゃぐしゃと私の前髪を荒らす。


「……反則」


『何が』


「なんでもない。……ほら、帰るよ。歩ける?」

『……ん』


ベッドから降りようとすると体がふらついてべちょんと床にへたり混んでしまった。どうやらかなり暑さにやられたらしい。

「……はぁ、」


幸村君は呆れたように私をおんぶした。


『ごめん、疲れてるでしょ?』


「それはすっごく」


申し訳なくて背中に顔を埋めていると幸村君がでも、と呟く。


「君が来てくれて良かった。君がいなかったら、きっと今日の俺は居ないはずだから、ありがとう」


幸村君の耳が赤い。


『照れてる?』


「……落とされたいの?」


『やだ、まだ頭痛いもん』


こつこつ、こつ。

足音が響く。


「ね、明日からさ、時間ある?」


幸村君が暫くの沈黙の後に言った。


『もう夏休み何日かしかないけど……うん、あるよ』


「そっか、良かった」


幸村君はそれ以上何も言わずにまた歩く。


『……ね、幸村君』


「ん?」


『テニスしてるとこ見せてくれてありがと』


それから、部活の事も。これからも応援に行くね、と付け足すと幸村君はまたため息を着く。


「Aってさ、」


『うん』


「馬鹿だよね」


『な……!馬鹿じゃない!』


幸村君は泣き腫らした目を薄くして笑っていた。


ーー

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向日葵 - 男女逆転なら男が姫役で女が王子役なんじゃないの?女が姫役、男が王子役だと男女逆転にならない気がするんだけど.... (2月23日 12時) (レス) @page10 id: 14452fdad1 (このIDを非表示/違反報告)
有山(プロフ) - のんさん» ぎゃー!返信遅くなり申し訳ないです…!コメントありがとうございます…( ; ; )幸村君が好きな子の表情が好きすぎて意地悪しちゃうのいいな!っていうただの偏見妄想小説でして…褒めていただき光栄…( ; ; )更新頑張ります〜!ありがとうございます! (2020年10月10日 22時) (レス) id: ffc96dd0b4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - 毎日更新お疲れ様です。こちらの幸村くんがとてもとても好きでコメントしたくなったので失礼します……!本当に好みの作品で毎朝幸せを貰っています。絵もお上手で羨ましい限りです……!これからも無理はしない程度に更新頑張ってください、楽しみにしています! (2020年10月9日 8時) (レス) id: d9f3c28035 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有山 | 作成日時:2020年9月30日 15時

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