叶わぬ恋見つけました。 Ｒｙｏｕｓｕｋｅ.Y 【 ２ 】

＃９４ ページ47

後半戦中盤。


まだ点数は取れていない。


そして、取らせていない。


みんな惜しいところまでいってるんだけど、最後にうまく決められない。


しかもそれを止めるのは大体薮さんと八乙女さん。


あの二人なんなの。


「先輩、あの１番と４番今まで聞いたことありますか？」


「ううん。当たってないだけかもだけど、今まであんな人たちを見た記憶はないよ。どこから来たんだか……。このままいくと負ける。１点だけでもとらないと……。」


「そう、ですね……。涼介今ぎりぎりですよ。侑李もだんだん顔が険しくなってる。落ち着いて……。」


みんなの疲労も目に見える。


このままじゃ……。


「山田ーー！！！なにしてんだよ！お前強いんだろ？？点数入れろーー！」


誰！？


客席の方から。


「……大貴先輩！？なんで！」


ここで大貴先輩が出てきちゃったら、なんかまずい！！


パッと涼介の方を見ると走りながら目を伏せ少し笑った気がした。


え……。


涼介は相手からボールを奪いゴールへ一直線。


さっきまでは考えられなかった涼介のプレーのキレの良さが戻ってきた。


お願い…そのまま……。


「涼介ーーー！！！」


サッというゴールネットの音が会場に響いた。


ピッピッピー！！


それと同時に試合終了の合図。


「うそ……。」


うちのチームが喜ぶ結果。


「勝った！」


ぎりぎり勝てた！


涼介はチームのみんなからもみくちゃにされてる。


あ。


私は後ろを振り返って大貴先輩を探す。


目が合い、二カッと笑って親指でグッドサイン。


私はありがとうの気持ちを込めてグッドサインをした。

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