もしもし___ 〈 ar × ym 〉

voice...32 ページ32

大貴side





あの時、確かに聞こえた声が、また自分の目の前で響く。






「や、まだ？おまえ、」



「大ちゃん、大ちゃん！」



「声、出るの？治ったの？」



「でる、ちゃんとでる！！」






俺に抱きついて来て、こんどは一緒に嬉し涙。





「だいちゃん、だいちゃん、だいちゃん、」



「何回呼ぶんだよ、笑」



「ん、いっぱい！声の出し方、忘れないように、」



「……ばか、」






強く強くぎゅうってして。



今までのぶんを埋めるかのようにたくさん俺の名前を呼ぶ。






「どうしよ、嬉しすぎるよ」



「山田の声、綺麗だね？」



「綺麗じゃないし」



「じゃあ可愛い」



「なんだよそれ！」





山田が喋ってる。



泣き笑いのとびきり可愛い顔で。





「……涼介、」



「え、」



「なんてな」



「え、やだ、もっかい言ってよ！」



「じゃあ俺のことも呼んでよ」



「え、？」



「大貴って」





そういうと俯いちゃった。



ちょっと意地悪しすぎたかな？笑






「……だいき、」



「へ？」



「んん、大貴！」






ほっぺを真っ赤にして、うるうるの目。



だめ、そんな顔して呼ばないで。






「涼介のばか」



「照れるね、」






「ねぇ大貴」



「ん？」



「すきだよ、」



「俺も好きだよ」



「ずっと一緒？」



「ずっと一緒」



「絶対だよ」



「絶対。離さないから」






もしね？



涼介が迷子になったり、見失っても絶対見つけられるよ。






「大ちゃん、だいすき」






だってその声は1番俺がよく聞こえるから。









fin__









………………………



終わっちゃいました！笑



お気に入り登録数も、評価数も上がって上がって…



本当にありがとうございました！




気が向いたら、続編か、ちらっとどこかで番外編を書こうかなぁ、と…




ではでは！また次の作品が出来上がりましたら、ここにまた載せますのでよろしくお願いします！

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