もしもし___ 〈 ar × ym 〉

voice...17 ページ17

大貴side





「ただいまぁ」





6時ちょっと過ぎ。



玄関のドアを開けると、とてとてっと可愛いやつが走って来てお出迎え。





『おかえり、大ちゃん！！』





あぁ、しっぽと耳が見える…





「ただいま、やまだ」





部屋に入るとぴっかぴか。



え、え、もしかして、





「掃除してくれたの？」





俺がそう聞くと、あらかじめ用意しておいたのであろう紙を見せてくれた。





" 元々綺麗だったけど暇で。笑 "



「ふふ、ありがと！そうだよなぁ、暇だったよなぁ…」





なにか暇つぶしになるようなのなかったかな…



なんて考えてると、なんども感じたことのある服を引っ張られる感覚。





「ん？なぁに？」





何か言いたげ。



俺が紙を指すと戸惑いながらも書いて見せてくれた。





「彼女いるの？部屋、綺麗だから……って、え？」



「……」



「ぷ。笑」





俺が思わず笑うとがーんってショック受けたような顔しちゃった。



こんなこと気にしてたの？





「彼女、いませんよ笑」





嘘だろって顔してるし。





「おまえ、今日、掃除してくれたんだろ？」



「((こくっ」



「家の中のどこに彼女要素あったんだよ笑」



「……」



「な。笑」




ほんと可愛い。






やっぱまだ駄目。



山田をカフェで働かせるのは。

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