もしもし___ 〈 ar × ym 〉

voice...11 ページ11

大貴side




テレビをぼーっと見てたら、じぃっと視線を感じて。



幽霊てきな奴じゃないことを祈りながら振り向いたら、全然違うし。





「やまだかぁ、びっくりさせんなよ笑」



「？？」





こてんと首傾げて、なに言ってんの？って目で訴えてくる。



可愛いな。





「湯加減、どうだった？気持ちよかった？」





こくん、と頷いてから、『ありがとう』って言ってくれた。



それからきょろきょろして、自分の持ち物から紙とペンを出して。





"大ちゃん、お風呂は？"



「あー、そうだな、入ろうかなぁ」



"ご飯、どうする？"



「あ、そうそう、問題はそっちだ〜！笑」



「？」



「俺、料理出来ねぇから笑 なんか頼む？」





そしたら山田は自分を指して、





『つ、く、る、よ』



「え！山田、料理出来んの！」



『す、こ、し』



「まじかぁ、すげぇー！じゃあ作ってもらおっかな」





少し嬉しそうに頷いて、俺に紙を見せてきた。



"リクエスト、どうぞ！"





「えぇぇぇ、迷うなぁ、山田が作ってくれるんならなんでも食うけど…」





でもやっぱリクエストするべきだよな。



聞いてくれたんだし。





「オムライス…とか？」



「………」





少しぽかんとして、声が出たら、「ぷっ」って笑うんだろうなって感じで笑う。





「おいこら、ガキとか思ってんだろ笑」



「！」



「ふん、ガキじゃねぇぞ！」





なんで分かんの！？とでも言いたげ。



残念、山田と出会ってまぁまぁ経ってるからな。



なに考えてんのか少しずつ分かるようになってきた。





「じゃあ俺、風呂入ってくるから、ご飯よろしくね？」





いつかの時みたいにくしゃくしゃ頭撫でて、風呂場へ向かった。

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