第六十話(yu-kun ページ15
先生「じゃあ、今井さんに質問がある人ー」
先生が生徒にそう呼びかけ、今井さんへの質問タイムが始まった。
蜜柑をチラリと見ると、何か不服そうな顔をして今井さんを見つめる。
「蜜柑…？」
どうしんだろう。
今井さんの紹介も終わり、時は過ぎて休み時間。
そして、下校時間になった頃
｢ちょっといいかしら｣
「今井さん…？」
「……キャラが被らない限りは可愛い子達とつるんでる方が色々得だと思うのよね」
そう言いながら、今井さんは美少女コンテストという紙を私たちに見せた。
「え…？」
蜜柑を見れば、嬉しそうに顔を赤らめている。
え？待ってなんか嫌な予感が
「どう？私たち仲良くなれる気がするのよね」
そういう今井さんの目には、お金の文字が見えた気がした。
「なっ、仲良くしようやー！あんたええやつやな、えらいいい子やー！」
「よ、よろしく…」
この瞬間から、私たちは仲良し3人組になった。
初会話がこれって...
「じゃあこれからの予定だけれど、まずはコンテストに出るための衣装選びと選曲、ダンス練習ね。次の休みに会いましょう」
「いしょう？ せんきょく？ だんすれんしゅう？」
蜜柑は頭にハテナを浮かべる。
「で、出るの？」
「ええ」
「即答…じゃ、じゃあうち来る…？」
「是非行かせてもらうわ」
衣装とかなら可愛い服あるし…作ろうと思えば作れるし…うん…私は出るつもりはないけど…。
「二人とも可愛いし、優勝できるよ。頑張ってね」
「何言ってるの？あなたも出るのよ？」
「え？」
今なんと？
私も出る？
「いやいやいやいや！私はいいよ！2人でどうぞ！？」
「あなたがいないと厳しいのよ。お願いね」
あれ、なんか今井さんには逆らえないな…はは。
「なんや、ようわからへんけどまあええわ！歌って踊ればええんやろ？簡単やわ！うち秘伝の踊り見せたるわ！」
「……蜜柑…」
「ダメね」
「なっ、、、そんなあ！」
「流石に盆踊りはダメだよ…」
蜜柑の行動には、いつも驚かされてばっかりだ。
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