検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:13,225 hit

第五十六話(yu-kun ページ11

「蜜柑の髪は綺麗だね」


蜜柑「えへへ〜、そうやろ〜? うちガサツやからせめて髪だけでもって思って綺麗にしてるんよ〜」



蜜柑の髪はサラサラで、くせっ毛がつかない髪質なんだと思う。

髪をといてて指先の感覚が心地いい。



「……はい、できた」


蜜柑「おぉ…! いつもの三つ編みとちゃう…! なんやろ、なんかふわふわしとる…!」


「ゆるふわって言うのかな、こうしたらいつもと印象が変わると思って。思った通り、可愛いね」


蜜柑「なんや、口説かれとる気分…」



キャーなんて言いながら蜜柑は私の肩をばしばし叩く。

痛い。



「ほ、ほら蜜柑。前向いて?まだする事あるから」


蜜柑「? おん!」



バッグからシュシュを取り出し髪に付ける。



「どう?」


蜜柑「これ、シュシュ…? あっこれもミカンや!!」


「手作りなんだ。ここに来る前に住んでたところで可愛いチャームとか色々集めててさ、集めてたチャームの中にミカンのチャームがあって作ってみたんだ」


蜜柑「て、手作り…!? 嘘やろ…お店で売ってるやつみたい…!!」



シュシュで喜んでもらえるなら、作ってよかった。



蜜柑「…でも、ええの? こんなにいっぱい貰ってしもうて…」


「いいんだよ、貰って」


蜜柑「うう…あんたええやつやな…。こんな友達もててうち幸せ者や…」


「大袈裟だな〜」


蜜柑「はよじいちゃんに見せ行きたい! A、行こ!」


「うんっ」



蜜柑に手を引かれ、部屋を出て廊下を走る。



蜜柑「じいちゃあーーーん! 見て見て見て!!!」


爺「なんや蜜柑。可愛いおべべ着とるな。そんな服持っとったか?」


夾「…姉ちゃんのだ」


蜜柑「そう! Aがくれたんよ!」


爺「蜜柑、Aちゃんにちゃんとお礼いいんしゃい」


蜜柑「言ったよー! でも改めて、Aおおきに! こんな素敵な服くれて嬉しいわ!」



私の手をがっちり握り、満面の笑みを見せる。

転校初日で不安だった学校では、蜜柑のこの暖かい笑顔に救われた。



蜜柑「あ! A! Aに連れていきたいとこあるんよ! 今から行こう!」


「え?わっ…」



力強く私を導く蜜柑の後ろ姿は、葵ちゃんの姿を覚えさせた。

見つけた。

2人目の私の天使。

第五十七話(yu-kun→←第五十五話(yu-kun



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美風・yu-kun x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月8日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。