七十八話目 ページ34
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貴女 Side‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
彼らを襲った、“あの人”の目的は一体なんだったのだろうか。
私を誘き寄せる為だとしたら、兄さんが大先生のどちらかを襲うはず。
…なら、なんで全員を？
“あの人”の意図が読めない。なんで、なんで――。
Ni「…お嬢様？」
『っええ、何かしら。』
Ni「御夕食の準備が整いました。」
『分かった。今から向かうわ。』
Ni「承知致しました。」
急に兄さんに話しかけられたことで、さっきまで何を考えていたのかを殆ど忘れてしまった。
…えぇっと、“あの人”の意図が分からないってところは考えたのか。
お母様も、お父様もいない食堂で只一人ぽつりと食事をする。
…あれ、いつからお母様とお父様がいないんだっけ。
『…アニサー。』
Ni「はい。なんでしょうか」
『お母様とお父様は一体、何処へ行ってしまったの？』
Ni「…旦那様と奥様は今現在アトリエにいらっしゃるかと思われます。」
『…そう。分かったわ。』
そうか、そうだったか。
お母様とお父様はアトリエで過ごしているのか。
『…御馳走様。
部屋に戻るわ。』
Ni「畏まりました。
…湯浴みは何時頃にいたしましょうか。」
『二時間後にするわ。』
Ni「畏まりました。」
いつもなら此処で軽く“兄さん”と“私”として喋るのだが、今日ばかりはそんなことをしている暇はない。
…だって、大切な人とその仲間が酷い目に合っているのだから。
「バタリ」
そう大きな音を立てて、自室の扉を閉める。
なんでか無性に、むしゃくしゃしていた。
それはきっと、大先生が巻き込まれたのに直に助けられずにいる自分に対する嫌悪感と、
大先生を――いや、大先生たちを巻き込んだ“あの人”に対する嫌悪感の両方のせいだろう。
…自分の対する嫌悪感をどうにかすることも儘らないというのに、
“あの人”に対する嫌悪感なんてもっと対応が出来ない。
けれど、この気持ちを何処に押し込めばいいのだろうか。
…そうだ。押し込めるのではなく、押し殺せば良いのか。
そうすれば誰にも迷惑が掛からずに、心配を掛けずに生活出来る。
我ながらに良い考えだ。
このまま、ずっと言葉に言い表せない気持ちを推し殺し続ければいい。
ずっと、ずっと。
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亜莉須(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリンさん！沢山あるのに本当に有難う御座います！読ませて頂きます！ (2020年8月4日 20時) (
レス) id: 9b8c47a982 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしてしまい申し訳ありません！【続編】イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい！と言う作品に書かせて頂きました。見て頂けたら嬉しいです。それと右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年8月4日 20時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
亜莉須(プロフ) - クラウィンさん» コメント有難う御座います…！これからも日々、更新に努めて参ります！ (2020年5月6日 20時) (レス) id: 9b8c47a982 (このIDを非表示/違反報告)
クラウィン(プロフ) - 貴方様の紡ぐお話が好きです…！オチが誰なのかwkwkです！更新頑張ってください…！ (2020年5月6日 19時) (レス) id: 6503b3063e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜莉須 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/arisu2wrwr3/
作成日時：2020年3月30日 16時
