四十七話目 ▼ ページ3
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上手く、周りの目を欺き手を出さなかった。
なんでか、それは。
――――俺の大事な人達の内の一人に似ていたからだ。
声も、性格も、頭の回転の良さも。
全てがあの子に似ていた。
だから、手は出さなかった。否、出せな“かった”。
出そうとしても身体がそれを拒否して、出せなかった。
俺たちの仕事は一旦終了し、アイツも「休憩していい」と言ったので俺たちは一度寝ることにした。
ｷｨｨ….
どれくらい寝ていたかも分からなくなっていた頃。
彼女を閉じ込めていた、地下室へ唯一行ける扉が開く音がした。
「ん・・・？」
俺は思わず、起きてしまった。
そこで、寝ている振りも出来たというのに。
当然の如く、顔をあげると彼女がいた。
俺の存在に気付くと、身構えた。
そんな所でさえも、あの子に似ている。
俺はあのサンドイッチを作った本人であるという為に、焦った表情を見せこう言った。
「あっ、いや・・・！君を殴ろうとか、そういうことは俺はしないから・・・！
あ、あのさ、あのサンドイッチ食べてくれた？それ、お、俺が作ったから・・・！」
そういうと、彼女は少しずつ警戒を解いていった。
そして、彼女はこう口を開いた。
『・・・なんですか、恩が欲しいんですか。なにが欲しいんですか。』
俺は何を言っているのかさっぱりで、こういうしかなかった。
「えっ・・・？！何を言ってるの？俺は別にそんなの要らないけど。」
『しらばっくれないで下さい。』
遮るように強く言った彼女。
利用させて貰うようで悪いけれど、此処から丁度出たかったんだ。
乗らせてもらうよ。
「えっと・・・じゃあ、君を此処から出すお手伝いをさせてほしい。」
『はっ？』
彼女は思わず、大きな声が出てしまったようで急いで自分の口を塞いだ。
俺は、寝ている男たちを見て、
「ここじゃあばれたら終わりだし、移動しながら話すね。」
と言った。
彼女は物分りが速いようで、
『・・・はい。分かりました。』
と返事した。
・・・・・本当にあの子じゃないのかな。そう時折感じてしまう。
俺はそんな想いを仕舞い、廊下へと出た。
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亜莉須(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリンさん！沢山あるのに本当に有難う御座います！読ませて頂きます！ (2020年8月4日 20時) (
レス) id: 9b8c47a982 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしてしまい申し訳ありません！【続編】イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい！と言う作品に書かせて頂きました。見て頂けたら嬉しいです。それと右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年8月4日 20時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
亜莉須(プロフ) - クラウィンさん» コメント有難う御座います…！これからも日々、更新に努めて参ります！ (2020年5月6日 20時) (レス) id: 9b8c47a982 (このIDを非表示/違反報告)
クラウィン(プロフ) - 貴方様の紡ぐお話が好きです…！オチが誰なのかwkwkです！更新頑張ってください…！ (2020年5月6日 19時) (レス) id: 6503b3063e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜莉須 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/arisu2wrwr3/
作成日時：2020年3月30日 16時
