一話 ページ2
「イルミ様……っ」
そう呼ぶ頃には遅く、私のすぐ背後には黒い空間があった。
それはブラックホールというもので、抵抗する間もなく吸い込まれた。
最後にイルミ様の泣き崩した表情が見れて、私は、使用人失格だ。
「京子!!」
そう呼ぶ姿の青年、というより少年の背丈の少年が遠くに座る女子生徒を呼んだ。
彼女の名前は笹川京子、我が校のアイドルだ。
ついさっき目を覚まし、あの世界の記憶とこちらの世界の記憶が混合して一体となった私。
こっちは平和な日本というところらしい、私の好物のゲテモノはないか…。
それに念も使って見たが申し分ない、こちらでも使えるようだ。
なぜこちらの世界に飛ばされたのかは分からないが、今はとにかくこちらでの事に没頭しよう。
すると栗色の外にはねたショートカット姿の少女は愛くるしい笑顔で駆け寄ってきた。
良く分からないがこちらの世界での交遊関係はなかなかのものらしい。
ちなみに剣道部というのの主将らしい。いやぁ照れますな。
今の私の姿は163cmの中々の美形少年だ。
ただ中身も体も髪型もそのままだがな。
身長は……察して下サイ。
「それじゃ、私行くね。二人の邪魔しちゃ悪いし」
黒髪ロングの結構美人などこか大人びた感じの少女は黒川花。
笹川京子の親友らしい。
さすが美形の友達は美形ですね。
「もー、花ったら」
まぁ、この子は私を兄みたいな感じで慕ってくれているだけだし。
委員会が同じだから、一緒に行こうと誘いにきたいだけなんですけどね。
まぁ体育館の窓に映った無重力ヘアーの男の子を見て、ゴンを思い出した。
元気でしょうか、ゴン君。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アリス | 作成日時：2014年5月31日 0時
