☆ハイキュー!! 短編集☆

隣のクラスの貴女に 〜山口side〜 ページ23

俺には好きな子がいる。

隣のクラスの鈴乃さん。


気になったきっかけは彼女が階段から転びそうになったのを助けたことからだった。

散らばったノートを拾うのを手伝った。

その時「ありがとう。」と言ったくれた笑顔にドキッとした。


彼女は1年生の中で一番美人だ。

そして性格も凄く優しい。


そんな人が俺を好きになるはずない。

隣にいるツッキーを見る。


月「何？山口。」

山「あっ、ごめんツッキー。」


ツッキーみたいにカッコ良かったならなと思う。

近くで鈴乃さん達の会話が聞こえた。


友「A、もしかして月島君のこと好きなの？」

あ「えっ？！」

友「だって最近ずっと月島君見てるじゃん？A美人だからいけるよ。」


ズキッと胸が痛くなる。


ふと鈴乃さんと目が合った。

でも逸してしまった。


最近、視線を感じるなと思った。

ツッキーを好きな女の子だろうと思っていた。

でもまさか、彼女だとは思わなかった。


鈴乃さんのあの時の笑顔が頭に浮かんだ。


彼女に、幸せになってほしい。


あんな笑顔でいてほしい。



そのために・・・。



放課後


用事があると部活中抜け出し、彼女がいる教室に向かう。

鈴乃さんは今日日直であることを耳にしたためまだいると思う。


今、勇気がある内に言わないと・・・。


扉を開けると驚いた鈴乃さんがいた。

彼女の顔を見ただけで顔が赤くなるのが分かる。


彼女に近づき協力すると告げた。


本当は俺が幸せにしたい。

笑顔にさせたい。


でも、きっと俺にはその役目はできないから。

だから協力したいと思ったんだ。

喜んでくれるだろうか。


だが予想は大きく裏切られた。


泣いていた。


ボロボロと子供のように彼女は泣いていた。


そして、驚かされた。


『私が好きなのは山口君なのに・・・。』


体が勝手に動いた。


俺は鈴乃さんを抱きしめていた。


山「ごめん、俺鈴乃さんはツッキーのこと好きだと思っていたから。好きな子には幸せになってほしいし笑顔でいてほしいと思ったんだ。」


でも、俺はその逆のことをしたんだね。


俺は想いを伝えた。


すると彼女はまた泣き出してしまった。


あ「うっ、うれし涙だからー。」


つい可愛いなと思ってしまった。


俺は彼女の目元にキスを贈る。

彼女は驚く。

俺も正直自分の行動に驚いた。


でも、君が愛しくて堪らなかったんだ。


そんなことを言ったら君は何て言うだろうか・・・。

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