会えてよかった。【KZ】

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ママ「おかえり、今日はいつもより遅かったわね。祐樹も帰ってきてるわよ。」





ご機嫌な笑顔で喋るママの表情を伺っているだけで心臓はうるさく音を立てている。


話の切り出し方に迷っていると、黒木君がゆるの背中を優しく押した。


ママの前に立つゆる。


そして、僅かに微笑んで一言こう言った。






ゆる「ママ。私だよ、ゆるだよ。」






一瞬、時が止まったように感じた。


誰も何も話さず、聞こえるのは道路を走る車の音、セミの合唱くらいだった。



でもしばらくしてアスファルトの地面に水滴が落ちた。





ママの涙だった。





ママは膝を折ってゆるを抱きしめた。





ママ「生きていたのね、ゆる…！！」


ゆる「覚えててくれてよかったよ、彩お姉ちゃんってば心配性でさ〜」





そんな言葉を交わす二人を横目に、私は皆と顔を見合わせた。


どういうこと？


“生きていたのね”って？







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