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そこで女子トイレのマークを見たユウちゃんが、
「あ、その前にトイレ行ってくるー」と走りだす。
「早くしてね？」
「うん」
その後ろ姿に声をかけると、ユウちゃんは返事をして
近くの女子トイレに入っていった。
その前で待つこと数分。
「遅いな……」
廃校だから水が流れてないのかも、と思い、
様子を見るため私も女子トイレに入った。
きしむドアを開けて入ったトイレは、
一段と暗くて恐怖心を煽るような空間だった。
恐る恐る奥へ進む。
しかし、どの個室もあいている。
私は首をかしげた。
「ユウちゃん？」
ユウちゃんは、どこにもいなかった。
いない、いない、いない。
どこを探してもいない。
一階から四階まで、全ての部屋を探しても、いなかった。
どこへ行ったのだろう。
ユウちゃんが消えたトイレを再確認しても、窓は空いてない。
ドアの前には私がいたし、どこかへ行くことなんて不可能。
消えたとしか考えられない。
もしかしてドッキリ？
いや、こんなたちの悪いいたずら、ユウちゃんはしない。
「どこ行ったんだろう……」
泣きそうになりながら、もう家へ帰ろうかとすら思う。
その時、何気なく見た鏡の向こうにいた、得体のしれない
黒い生物を見た瞬間、怖いと思う間もなく私の意識は暗転した。
＊
「……ん」
意識が浮上し、小さく声を上げながら目を開いた。
ぼやける視界に入ってきたのは――
「ユウちゃん！」
目の前ですやすやと眠っているユウちゃんだった。
ユウちゃんが無事だったことに安堵し、胸をなでおろす。
しかしここはどこだろう、とあたりを見渡したところで、
自分たち以外に人がいたことに気づく。
なんだか一仕事終えた後のような、疲れてますオーラが出ている。
いたわりの言葉をかけた方がいいのかと思い、
そこで初めてその人と目を合わせた。
その人は、私を見るとかすかに目を見開いた。
きっとそれは私も同じだっただろう。
「ぁ……」
何故だかわからないけど、胸がいっぱいになって、涙が出そうになる。
それをこらえつつも、ふらふらと立ち上がった。
夢の中で何度も見たあの青い目が、私をとらえる。
初めてあったはずなのに、私はずっと前からこの人を知っている。
私はずっと、この人に会いたかったんだ。
でも、会って何をしたかったんだろう？
何もわからないまま、ほとんど無意識のうちに、
私の手はその人の方へ伸びていた。
そしてその手は、確かに彼の頬に触れた。
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瑠衣華(プロフ) - 幽輝＆華さん» ありがとうございます。誤字は普通に私のミスです、すみません。面白いといっていただけて光栄です。これからも作品作り頑張ります！ (2019年1月4日 21時) (
レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - クロノスタシスさん» コメント見落としていました、すみません。共感してもらえて嬉しいです！「実は生きてたりせんかなぁ……？」ってずっと思ってます (2019年1月4日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
幽輝＆華(プロフ) - 被虐のノエルのオスカーさんのやつ、＜ジーノ管理官＞が＜ジーの管理官＞になってますよ？わざとだったら、すみません！！あと、ものすっごく面白かったです！これからも、頑張ってください！！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: 0b112b624e (このIDを非表示/違反報告)
クロノスタシス(プロフ) - 吐きそうな程にアリスさん好きなんは分かる。キミガシネの2章前編ラストは分岐で、レコが死ぬかアリスが死ぬかだったかと……それ見てたワイ「どっちも死ぬなよォォォォ！」でした。ハイ (2018年9月16日 23時) (レス) id: 7e91a010ff (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - 雪さん» 共感してもらえてありがたいです。やっぱりショックですよね……。ホラゲキャラは本当に、みんな天使だしかっこいいし可愛いし、人生の癒しって感じです。 (2018年9月16日 21時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2018年4月14日 21時
