フリーホラゲー好きによる自己満足短編集

殺戮の天使　エディ　悲恋？ ページ49

「むぅ……」


私は拗ねている。

始めは行き場をなくした可哀そうで可愛い女の子。
そして次は死を望む不思議な雰囲気を持つ女の子。

確かに二人とも私より魅力的だけど、
二人よりも前から、私は彼の傍にいる。

彼にずっと寄り添ってきた。

エディとは幼馴染だし、ビルに来てからもずっと一緒だ。

それなのに、どうして私のことは見てくれないのさ。

エディのことを一番よくわかってるのは私だ。

私なら、エディに涙を流させたりしない。
エディを拒んだりしない。

それなのに、それなのに……！


ワクワクを手紙を書く彼の背後に回る。


「なんですか、ラブレターですか、お相手はあの金髪の子ですか」

「ふふふ……レイチェルはきっと僕を受け入れてくれる……」


いつものようにあしらわれ、唇を噛んだ。
いつも付きまとってしつこいのはわかるけど、無視しなくてもいいじゃん。


「私なら確実に絶対に受け入れるよ、私にしない？」


そうあからさまにアピールしても、


「そうだ、お花も一緒に渡そう」


完全スルー。



そういえば、最後に私に応えてくれたのは、いつだっただろう。

どうして私には声をかけてくれないんだろう。
どうして私とは目も合わせてくれないんだろう。
どうして私の思いには応えてくれないんだろう。
どうして彼は私以外の子を見るのだろう。

どうして……。


抑えていた感情が溢れて、けど行き場がなくて。

耐えきれなくなった想いは涙となって頬を伝った。

慌てて抑えようと袖口で拭っても、とめどなく流れ続ける。
それでも、彼は振り向いてくれさえしない。


「ねぇ……エディ……！」


その華奢な後ろ姿に手を伸ばす。


「ああ、もうすぐ来る……通路において来よう」


他の子への恋文とオレンジ色の花を持って、エディは扉の向こうへ行く。


「待って、私を無視しないで……」


泣きながら走って駆け寄り、その肩をつかんだ。
けれど、手には何の感触もない。

事実、私は彼の肩をつかんではいない。


何度も、何度も、触れようとするが、すり抜けてしまう。
それが悔しくて、なのに泣くことしかできない。


「ふふふ……」


上機嫌なエディの笑い声とともに、ドアが閉まる。

地べたに座り込んで、私は顔を両手で覆った。
ひたすら声をあげて泣いた。

それでも、この泣き声だって、誰の耳にも届かない。


本当は気づいている。
分かっている。

信じたくないだけで、もう、悟っている。







私はもう、死んでしまったのだ。

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