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目が覚めた。
天井が見えるので、自分が今寝かされた状態だとわかる。
視界の端で清潔感のあるカーテンが揺れている。
その合間から光がさしているので、今は日中なのだろう。
手を動かすと、滑らかな感触がした。ふかふかした布団と、シーツ。
ここは病院だろうか。
……というか、私は生きているのだろうか。
最後の記憶は、明らかに死んだと思われるものなのだが。
今すぐに歩き回って場所や自分自身を確認したいのだが、上体を起こす気力はない。
仕方ないので首だけ動かしてあたりを確かめた。
そして、隣に誰かが座っていることに気づく。
その人は寝息を立てている。
寝顔を見ていると起こすのが申し訳なくなってくるが、一刻も早く情報が欲しかったため声をかけた。
「……爆豪君」
少しかすれた声が出た。
ピクリと反応した後、彼の閉じられていた瞼がゆっくりと持ち上がる。
隙間から見えた宝石みたいな赤色が、私を映した。次の瞬間、その赤色は丸く、大きくなった。
「Aっ！」
爆豪君は音を立てて椅子から立ち上がると、ぎゅっと私の手を握った。
大きくて暖かい安心感が伝わってくる。
「爆豪君、私、生きてる？」
「死んでりゃ声出せねぇだろーが」
「そっか」
「だいたい未来のトップヒーローが、目の前で死なせる訳ねぇだろ」
私、生きてるんだ。
命令に背いたのに、死ななかったんだ。
苦しかったけど、痛かったけど、死ななかったんだ。
そう実感すると、いろんな思いがあふれてきた。
死んだほうがましかもしれないと思うこともあった。
実際、こうして死におびえるのは生きているからで、生きている以上いつかは死ななければならない。それなら死んで、新しくやり直すなり無に帰るなりして楽になりたいと思った。
けど、そうしなくてよかったと、今心の底から思う。
この世界で生きることをあきらめなくてよかった。
これからも私は、神の退屈しのぎとして、神のお人形として生きていくかもしれない。
それでももうよかった。
君がいてくれたら、君だけが知ってくれていたら、なんでもいい。
今だって死にたくないけど、これは純粋な苦しみへの恐怖じゃなくて、失うことへの恐怖からくるもの。
死にかけて、気づいたことが一つある。
「あのね、爆豪君」
「……なんだ」
「言いたいことがあるの」
涙をこらえてにっこり笑った。
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真白 - 👍 (2023年3月22日 0時) (
レス) @page31 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ヒマワリ(プロフ) - 正直、ぶりっこキャラものすごく嫌いなんですが、ぶりっこキャラを演じている良い子だと、ものすごく可愛いと思えました。お疲れ様ですm(_ _)m (2020年9月16日 20時) (レス) id: c31f8595d4 (このIDを非表示/違反報告)
歌好き - とても楽しかったです！あんまりヒロアカなどは見ないのですがこれを機に見ようと思います！お疲れ様でした！ (2020年3月24日 14時) (レス) id: 4d2af9c89e (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - イオさん» ありがとうございます。もうすぐ完結の短いお話ですが、そういっていただけてうれしい限りです。 (2019年7月7日 13時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年6月26日 21時) (レス) id: a58a9f4966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2019年5月3日 17時
