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さて、この状況の経緯が判ったところで、私のぶりっ子姿を一部お教えしよう。
例えばヒーロー基礎学では、
「ふぇ……怖いよぉ」
なんて声を上げながらひたすらチームメートの足を引っ張る。
女性陣に苦言を呈されたら、
「ふぇえ、ごめんなさぁい……でも、私だって頑張ってるつもりだから……」
爆豪君に暴言を吐かれたら、
「わたしぃ、ブスじゃないもん！可愛いもん！」
轟君の冷たい目線に気づいたら、
「あれ、もしかして今見てた？ムフフ、そういえば轟君ってかっこいいよねぇ……」
「って、さすがに精神擦り切れるわ……」
いろいろ思い出すとやるせなくなり、私は机に伏せた。
今は放課後。
誰もいなくなった教室で一人今日の行動を振り返り独り言を垂れているのだ。
隣には書きかけの日直日誌。
それを照らす夕日が窓から差し込んでいた。
さすがに日直の仕事などはまじめにやっている。
否、今こうして仕事を放って思いを巡らせている時点で、真面目ではないのかもしれないが。
「でも今日の相澤先生の一言はきつかったなぁ」
思い出されるのは充血した鋭い目。
「『ヒーローを舐めるな』……か」
私は正直、ヒーローになりたいわけじゃない。
指示だから、仕方なく、この雄英高校に通っているのだ。
できることなら今すぐこの学校辞めたい。
だがもし命令に背いたら、きっと私は殺される。
初めて命令をもらった時の手紙に書いてあった。
『あんまり変なこと考えないでよね？行動によっては、次はもっと苦しい死に方をするかもしれないってこと、ちゃんと頭に入れといて』と。
神なのだから、大抵のことは何でもできる。
それこそ、人を殺すことだってあいつにとっては赤子の手をひねるようなものだろう。
私が死んだのだってあいつが手を滑らせて看板を頭上に落としてきたからだった。
「手を滑らせる」だけで、人を殺せるのだ。
そんな奴に指示をもらって、拒否することなどできるはずもなかった。
私は雄英高校に通わなければならない。
自分のことをかわいいと思う痛い人間を演じなければならない。
それが指示だから。
ヒーローになる資格とか、意思とか、そんなのも持っているわけがない。
そもそも、人を助ける前に私が助けられたいのだから。
ただ、果たして神から守ってくれる
答えは考えるまでもなく「いいえ」だから、私はこの学校に通っている。
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真白 - 👍 (2023年3月22日 0時) (
レス) @page31 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
ヒマワリ(プロフ) - 正直、ぶりっこキャラものすごく嫌いなんですが、ぶりっこキャラを演じている良い子だと、ものすごく可愛いと思えました。お疲れ様ですm(_ _)m (2020年9月16日 20時) (レス) id: c31f8595d4 (このIDを非表示/違反報告)
歌好き - とても楽しかったです！あんまりヒロアカなどは見ないのですがこれを機に見ようと思います！お疲れ様でした！ (2020年3月24日 14時) (レス) id: 4d2af9c89e (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣華(プロフ) - イオさん» ありがとうございます。もうすぐ完結の短いお話ですが、そういっていただけてうれしい限りです。 (2019年7月7日 13時) (レス) id: 9adbf105ee (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 凄く面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年6月26日 21時) (レス) id: a58a9f4966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠衣華 | 作成日時：2019年5月3日 17時
