最初の晩餐 ページ10
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「う…んん…」
グリム「起きたんだゾ？」
目を覚ますと知らない天井と､
ドアップのグリム｡
それから…揺れる金髪｡
突っ伏してるけど…この長さはまさか､
グリム「大丈夫なんだゾ？
急に動かなくなるからビックリしたんだゾ！」
「うん､大丈夫…｡ごめんね」
グリムの頭を撫でていると起きた金髪の彼｡
ラウール「起きてくれてよかった！」
「？！」
ビビっても意外と心は冷静だ｡
ラウール「驚かせてごめんなさい､
僕ラウールっていいます｡よろしく…？」
「あ､うん｡知ってます｡Aです…よろしく」
ひぃ､顔がめたくそに綺麗｡そして眩しい｡
ラウール「僕たちのこと知ってるの？」
「ファンだから…｡迷惑よな｡ごめんねこんなんで」
ラウール「何で？嬉しいよ！薮くんも悪い人
じゃないって言ってたし｡」
薮さん…｡
初対面なのにそんな風に言ってくれたんだ｡
ラウール「失礼を承知で聞くんだけど…」
「ん？」
ラウール「Aちゃん､って幾つ？」
「え…っ､と22だよ｡目黒さんの一つ下」
ラウール「年上かぁ…！
え､僕失礼なこと言ってない？」
「ふは(笑)大丈夫だよ」
ラウール「！」
一瞬動きが固まるラウールくん｡
でも直ぐに笑顔に戻った｡
ラウール「年下だし､僕のこと好きに呼んでね！
あとね､Aちゃん」
「うん？」
ラウール「僕､年下だけど学年は上だし､
Aちゃんよりちょっと長くここにいるから
何かあったら頼ってね｡」
徐ろに私の手を取って､そう微笑む｡
「…ありがとう」
画面の向こう側とはいえ､見知った顔が
あるのは正直安心した｡
だから､ラウールくんの一言にほっとしたのも
事実で｡
グリム「ふなっ？？どうしたんだゾ？
腹でも痛いのか？」
ラウール「え､ごめん！泣かすつもりは…！」
グリムとラウールくんに涙を拭かれては
溢れるそれを止めることは中々難しかった｡
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作者名：yuiri | 作成日時：2020年8月8日 22時
