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医者として ページ9

「助けに……行くんだ……!倒れてる…血の量があれは危険…」

信長「だめだ。こっちに来るのだA。もう見るな。」

ぐい、と襟を捕まれAは我に返った。
そして信長の腕を掴むと、抵抗した。

「まだ助けられる命があるかもしれない!」

信長「だめだ。それは生半可ぞ。」

「人を救いたい気持ちに半可など!」

信長「ならば倒れてる兵士も助けてやれ。もっとも生きてるやつなんざいないだろうがなぁ。

それは自惚れぞ、A。自己満足に走るな。お前はまだそれに溺れていない。だから俺は止める。

お前がいた頃は戦もなく[どんなやつも助けます]だったんだろうが、ここでは違う。
この世界で必ず合戦を目にするだろう。そしたらお前は敵をも助けるのか?」

Aは言葉に詰まった。いや、私は医者として全ての人を救いたい……でもなんで森で豊久に殺された兵士を見て、助けようとしなかったんだろう。


敵とみなしていたから?私はいつから助ける人を選ぶようになったのか。


「そうか、違う。私は兵士たちを[見捨てること]で[助けた]のか。エルフたちはそれで[救われた]んだ。

それは私は医者として、助けたことになる。

なんだ、簡単なことだった。」

信長「本当に切り替えの早いやつめ……。」

「冷静さが売りなんで。ありがとうございます信長さん。私の役目がわかりました。」

信長「恐ろしい奴だのう。根の強さが武士並だな。」

Aは小さく深呼吸をした。
そして、兵士をバッサバッサ切っていく豊久を見て、目を細くして呟いた。



「別に、目が慣れただけですよ。」

信長に聞こえないように呟いていたが、信長にははっきりと聞こえていた。

Aの声がやや震えていることも、それが少し不安になった気持ちを押し込めるだけの強がりということも、信長には分かっていた。




信長「………行くぞA。こっちだ。」

________________


信長はAを連れて、豊久たちから少し離れた場所の家の上に座った。

「ここで待機ですか。」

信長「あぁ、まぁな。」

Aは信長と同じように座った。


後ろの夜空には満月があった。

燃える麦畑から風が吹き、信長の長い髪がうねり、ゆれる。逆光で信長は黒い影に染まり、彼らを見つめる目だけが光る。


Aはその姿が、夜に潜む悪魔のように思った。



「………いや、大魔王だったか。もっと上だな。」

信長「?」

「いえ、なんでも。」

そうだ、敵を殺ろう。→←第六天魔王様様



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猫目石(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年2月11日 20時) (レス) @page40 id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
タムさん(プロフ) - お隣の山田さんさん» ありがとうございます!がんばります! (2020年11月28日 22時) (レス) id: 14a7f52abe (このIDを非表示/違反報告)
お隣の山田さん(プロフ) - 更新待ってます!!! (2020年11月27日 23時) (レス) id: d70d52a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
タムさん(プロフ) - aiueooooさん» お待たせしました!(´;ω;`) (2020年11月19日 10時) (レス) id: 14a7f52abe (このIDを非表示/違反報告)
aiueoooo(プロフ) - 待ってました! (2020年11月19日 3時) (レス) id: f537d46eb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むきたまご | 作成日時:2016年12月16日 22時

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