[ドリフターズ]異世界だけどまぁ冷静にツッコミしていけばいける気がする (ページ36)

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魂と誇りページ36

「…こちとら専門分野だこの野郎……てめぇら全員去勢してやるよ！！」

狼狽える半裸の男どもに剣を向け怒りを露わにする。しかしAの肩を豊久が力強く止めた。

「豊久！？」

しかしそれが先程の武士道とは違う、殺意のこもった声色だった。

豊「おいが間違っちょった。こん城ん奴ばら共は糞じゃ。
撫で切りぞ根切りぞ。こん城ん兵どもは皆殺しじゃ！！！」

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城内の兵を中庭に集め、エルフたちは弓矢を兵士たちに向ける。
やめてくれ助けてくれと喚く兵士たちを豊久は確固たる目付きで睨んでいた。

「早く自分の家族の元へ！他の村の子達は私の所へ。」

Aは毛布や服をエルフの女たちに着させ怪我をしている者の手当てに回った。

「痣が酷いな…怖かったでしょう。もう大丈夫だからね。すぐに帰ろう。」

助けられた身であっても数分前まで続いていた暴挙に、エルフたちの顔は曇ったままだった。
自尊心の高いエルフ。それらの行為もそれを見られたことも何もかもが心の傷となるのだろう。

兵士「お前らどうなるかわかってんのか！これが本国に知られてみろ！お前ら皆殺しになるぞ！」

「バカか…自分の命より家族の命を差し出す馬鹿はお前ら以外いないだろうよ…」

エルフ「トヨヒサさん！！射たせてくれ！早く！」

豊久は全ての声を聞いた。指示を出そうと口を開いた瞬間、突然の衝撃に床に伏した。

信「ふー」

信長だった。

「信長…さん？」

誰もが驚き信長ただ一人に視線がいく。
しかし信長の顔はすぐに鬼の顔になった。

信「殺せい。皆殺しじゃ。今まで散々女共をなぶっておいて、武器を捨て降伏しただけで助かる筈と思うたら大間違いじゃ。
おまえらこやつら滅する気満々だったではないか。ならば滅せられても仕方の無い道理ではないか。
死ねい。死んで玉薬になれい。」

横一列に並んだエルフたちが弓を構える。
やめろやめろと喚く兵士たちにエルフたちは今までの恨みをぶつける。

信「放てェい！！」

その一声で数十本の矢が一気に飛ぶ。
鈍い音とともに血飛沫や臓物が飛び交う。

「…見れる子は見てほしい。…これはエルフ族の魂と誇りをかけた戦いの始まりなんだ。」

Aの言葉にエルフの女達の目に光が戻ってきた。

「ざまぁないね」

そしてAの笑顔で女達の心が少し軽くなった。

しばらくして、豊久は目を覚ました。

「あっ今からしょうもない喧嘩が始まるからそれは見なくていいので帰ろうね」