Episode 10 ページ10
.
.
中学2年生の時、仲が良くて毎日一緒にいた女の子が突然私のことを無視するようになって。
どうして?って聞いても全く答えてくれなかった。
どうにか突き止めたくてその子の後をつけると、女のせんぱいに脅されていた。
《アイツとまだ仲良くしてんのかよ。1人にしろ、って言ってんだろ?》
《伊野尾慧の妹ってだけで、注目されて。マジ目障りなんだよ。ねぇ?Aちゃんの親友ちゃん?》
ショックだった。私のせいで、私の大好きな親友がいじめられてる。わたしが、伊野尾慧の妹だから。
それでも、お兄ちゃんのことは嫌いになれなかったしむしろ味方はお兄ちゃんしかいなかったから。
そこから私は友達付き合いは一切やめて、1人で生活するようになった。
高校はお兄ちゃんと違うとこ行きたかったけど、そういうわけにもいかず、、隠していきたかった妹ということもすぐにバレてしまった。
お兄ちゃん目的で近づいてくる子がいたけど、私は友達を作ることに拒否し続けていた。
なのに、亜依は違った。
無視する私にずっと話しかけてくれた。
この子なら信じてみてもいいかな、って思えたから一緒に居たけど……
『今日あいつらに絡まれて、また同じ目に遭うと思ったのね』
「はい…それで、亜依のこと、、突き放すような言い方しちゃいました。」
『……その話いのちゃんにした?』
「出来ないですよ、お兄ちゃん絶対自分のこと責めちゃう。」
幸いその時はもう中学を卒業していたおかげで、私がこんな生活をしていることはお兄ちゃんにはバレなかった。
学校楽しい?って聞かれて、楽しいよ。って答える毎日だった。高校も1年くらいなら隠せると思ってたし。
『そっか、、でも、亜依ちゃんはちゃんとわかってると思うよ。』
「……そう、ですかね」
『うん。だって、初対面の俺にAが…!大変!!せんぱい助けてって泣きそうな顔して言ってきたんだよ?』
そんな亜依の姿、ちょっと想像できちゃって面白い。
あぁ、やっぱり亜依は今までの子とは違うよね。
『それに、俺はその中学校の友達の行動もAちゃんのためだったんじゃないかなって思うよ。』
.
.
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2020年4月15日 0時