リナリア (ページ16)

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アパートに着くと、涼介が待っているのが見えた。

らいか「涼介！お待たせ！」

私に気づいた涼介が振り返り、申し訳なさそうに手を合わせて謝る素振りを見せた。

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こんな涼介は滅多に見れない。

優越感に浸るかのように微笑んだ私は3階まで階段を上る。

涼介「ほんとごめん。鍵どこ行ったんだろ。」

後ろから着いてくる涼介が今度はちゃんと言葉で謝ってきた。

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らいか「まぁいいから入って！とりあえず鍵屋さんに電話しなきゃ。」

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部屋に着くと、靴を脱ぎながら答える。

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涼介「でもスペアもないよ？」

涼介も部屋に入り、リビングへ向かう。

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らいか「んー。ほんとにバッグの中ないの？」

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涼介「なかった、確認した。」

そう言いながらも中身を確認している。

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涼介「あ！」

らいか「もしかして…」

涼介「ごめん！！」

鍵をバッグの中から見つけたようだ。

頭を下げて謝る涼介に少し戸惑った。

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らいか「も、もういいよ。鍵あってよかった。」

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涼介「じゃあ、帰る。」

らいか「うん、気をつけて。」

涼介「って言っても隣だけど。」

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涼介が帰り1人なった。

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いつもしっかり者の涼介が鍵を忘れるなんて珍しいな。

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なんて考えながら溜息をつく。

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涼介が鍵を見つけてればもう少し長く図書館に居れたのに。

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やはり彼のことが頭から離れなかった。