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先に講義室に着いた私は1人でぼーっと考える。
私は……有岡くんのことが好き?
涼介からの言葉が衝撃的で、忘れられなかった。
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生まれてきてから今日まで、涼介とはずっと一緒に居たけど、男の子に感情を持つことはなかった。
そんな私は今の気持ちを整理できなかった。
そして、涼介が不機嫌な理由も分からない。
いつも興味無さそうに話を聞くのは変わらないけど、今日は違う気がした。
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涼介が講義室に入ってくる。
いつものように私の隣に座る。
私はノートを出して、隅にメッセージを書く。
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「なんか私申し訳ないこと、しちゃった?」
書いたメッセージを涼介に見せる。
それを見た涼介は一瞬固まったが、小さく首を振った。
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その時、私はふとあのシーンを思い出した。
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それは、有岡くんが勉強を教えてくれた時のこと。
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有岡くんが自分の名前を書いて、私に見せてきた。
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なんだか風景がマッチしている気がした。
それにしてもこんな時まで、有岡くんを思い出すのは、「好き」という気持ちなのだろうか。
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昔、アイドルが好きな友達が、
日常でした事と、アイドルがしたことが同じだと思い出しちゃう。
なんて言ってたような。
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トントン
涼介から肩を叩かれる。
涼介もノートに書いたメッセージを見せてくる。
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明日、母ちゃんの誕生日だから、講義終わったら付き合ってくんね?
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それくらい口で言えばいいのに。
そんなことを思いながら頷く。
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あ、ってことは、今日は図書館には行けそうにないな。
有岡くんには会えないか…
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また有岡くんのことが頭をよぎった。
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作者名:らいか | 作者ホームページ:http://raika
作成日時:2019年6月3日 18時