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竜side



竜「塗にぃ!今日ね、入学一回目のテストの結果返ってきてね、三十位取ったよ!」


颯にぃが出してくれた椅子に大にぃと並んで座って、学校で貰ってきた成績表を塗にぃに向けて広げる。


でも、いつもみたいに笑ってくれることも頭を撫でてくれることもない。


ただ、規則正しい呼吸が聞こえるだけ。


大「凄いよねぇ、竜二は。

誰に似たんだろ?」


塗にぃの頭を撫でながらおどけたように言った大にぃ。


点滴の交換をしていた颯にぃも笑った。


颯「確実に俺。大にぃでは無いよなぁ」


竜「そーだね……」


大にぃは昨日泣いてたし、
兄ちゃんだからって気を張ってるんだと思う。


でも、昨日から泣くことも苦しそうな顔をすることもしない颯にぃは気味が悪くて、いつもみたいに返すことも笑うことも出来ない。


大「颯馬、

ちょっと飲み物買いに行きたいんだけど、
自販機どこ?」


颯「あー、俺買ってくるよ」


大「そ?ありがとう。じゃあ、お願い」


颯にぃは塗にぃの頭をそっと撫でてからHCUを出ていった。





大「竜二は颯馬が怖い?」


大にぃは塗にぃの頭を撫でていた手を止めて俺の方を向いた。


そっか、颯にぃが行ったのはそういう事か。


兄ちゃんたちはなんだってお見通しなんだ。


俺はここで嘘をついても仕方がないから頷いた。


大「それは、颯馬が泣いたりとかしないからってことだよね」


また頷くと、大にぃは俺の手を取った。


大「戻ってきたら颯馬の目をよく見てごらん?



颯馬の目は口ほどにもの言ってるから」


いひひと笑った大にぃがまた塗の方をむく。


大にぃと颯にぃは一緒にいる時間が長かったからこそ、通じ合うものがあるのかもしれない。


颯「買ってきたよ。

何がいいか聞き忘れたから大にぃと竜二はオレンジジュースね」


大「やったぁ!
でもなんで颯馬はコーヒー?
しかもブラック!?」


颯「大にぃと違って飲めるから」


大「大人になったねぇ……」


颯「今更かっ!」


何故か漫才を始めた二人に俺は呆れ笑いを浮かべる。


でもその間、颯にぃの目が笑っていないように見えた。


心から笑う余裕はないってこと?

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名岡颯貴(プロフ) - ?さん» ありがとうございます!とっても励みになります!誠心誠意書かせていただきます! (2020年7月1日 23時) (レス) id: 9fd7fb69f1 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き楽しみに待ってます! (2020年7月1日 22時) (レス) id: 5ebe61a63e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名岡颯貴 | 作成日時:2020年6月28日 16時

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