これからもどうぞ《Daiki.A》

spin-off １ ページ10

Aside




「いたたた…」

「A、大丈夫？！」

「ん、大丈夫」





結婚して1年半。



有岡Aになった私のお腹には、
小さな命が宿りました。




「俺取ってくるから、座ってて」


妊娠してるとわかってから、
大貴は私にいっぱい手を貸してくれる。



「Aは無理しすぎだからね？」




私が立ったままにしていると、
そう言って飲み物を持って来てくれる大貴。



「だってぇ……あ、いたた…」



そして、そんな大貴に言い訳をしようとするものの、
痛くて何も言えない私。




「ほら、大丈夫？」

「うん、ごめんね…」




優しくお腹を撫でてくれて、
心配そうに私の顔を覗き込む。



「無理したら赤ちゃんもAも辛くなっちゃうでしょ」

「そうだね……」



今思えば確かにそうだ。

安静にしてないと、赤ちゃんを苦しめちゃうかもしれない。




「じゃあ、お言葉に甘えて」


私はゆっくりソファに座った。



「今日病院行くんだから、それまで休んでること」

「はーい」

「ん、いいこ」





笑って私の頭を撫でる大貴。


そんな大貴がかわいい。



「……ふふ、」

「え、何？！」

「なんか、かわいいなあって」

「は？！……かわいくねぇし」


そうやってすぐ拗ねるところ、
前から変わらなさすぎてむしろ心配。



「……俺は…かっこいいだし、」





そうやって上から目線なところも変わらない。


どうしよ、生まれてくる子も上から目線なかわいい男の子だったら。





少し膨らみを持ったお腹を見つめて、
軽くため息をつく。




「おい、なんだよそのため息！」

「いや…大貴みたいな子が生まれたら、と思うと寒気がして……」

「は？、お前、俺のことなめてるだろ？！」

「………」

「あ、ごめん言い過ぎ「なめてるけど…」……おい」






でも、案外大貴みたいな子もいいかも！


大貴が2人増えるみたいなもんでしょ？





すぐ拗ねて、上から目線で、でもどこかかっこよくて。





……うん、いいね。



絶対モテるよ。




そんなことを想像したら、なんだかにやけてしまった。

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