好中球でも恋してます。 (ページ5)

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鈍感なアイツページ5

Aside

今日は仕事終わりに4989番と鼻腔へ行く約束をしている。
マジで楽しみだ。鼻腔の足湯には仕事が忙しく、なかなかいけないため、テンションが上がってる。
4989番と行けるということも関係してるかも。

「ピンポーン！」
とレセプターが反応する。
また、擦り傷ができたようだ。Ｌーセレクチンを、オンにする。
傷口は私が居る地点の近くらしい。
見ると細菌がうじゃうじゃと入ってきている。

私が行くしかない。着いたら、案の定細菌が暴れている
菌を倒していると、遠くに2048番が見えた。

2048「A番！遅くなってすまん！怪我してないか？」

「うん！あのさぁ、私をいつまでも妹扱いするのやめてくれる？」

攻撃をかわしながら、2048番に文句を言う。

2048「だって年下にしか見えないからな！って、今そんなこと話してる暇ないと思うが。」

くぅ、、、、無念だ。
残念なことに、私は、1146番とは、11㎝差。4989番とは9㎝差。2626番とは10㎝差。2048番とは、13cm差ある。
2048番の言う通り確かに、今はそんなこと話している暇はない。次々に細菌が入ってくる。
ただ、今回、黄色ブドウ球菌はいないが、化膿レンサ球菌やらがわんさかいる。

4989「おまたせ！来たよ！」

4989番だ。口の周りに食べかすが付いているところから、擦り傷ができるまで、いつものようにまったりしていたと見ていいと思う。

「Ｌーセレクチンつけた？」

と聞いた瞬間、4989番は吸い込まれそうになっていた。

ギリギリ4989番の手を掴んで吸い込まれるのを防ぐ。

4989「お、さんきゅ！」

「いいから、Ｌーセレクチンつけて、、、。」

4989番が吸い込まれないようにするには、結構な力がいる。
女の私は体力の三分の一を使う。
4989番はＬーセレクチンの電源をオンにしたのか、こっち側に引き付けられる。

4989「いやーありがとねー」

と、私と向き合って言った。
すると、向こう側にトゲ達を4989番に突き刺そうとしている細菌が目に入った。
トゲというより刃物と言った方が近い。
あれを喰らったらひとたまりも無いだろう。

「危ない」

そう呟くと、

4989「え、なんて？」

と聞き返してくる。
鈍感な奴め。

「危ない！」

もう細菌は、トゲを投げ始めていた。

危険だけどやるしかない。
頭に当たったら多分死ぬ。
目の前のアイツを守らなきゃいけない。

一瞬時が止まった。