天てれ小説〜しあわせの軌跡〜 続編2

新しい道 ページ7

その日の夜、


隼也はチームのみんなと

復帰祝いをするらしく、

帰りがおそくなるから、


結実とのだしんを家に呼んで、

ご飯を一緒に食べた。



「Ｗ杯。

心配しなくても、

呼ばれるの、間違いねえな。

怪我はしたけど、

それまでの実績もあるし。」



「ご飯口に入れたまま話さないでよ。」



結実は隣で、

呆れたようにのだしんに注意する。



「Ｗ杯のために、

ずっと頑張ってきたから、

メンバーの中に入れば嬉しいけど・・・。」



「大丈夫。

フルでプレーできるかはわからないけど、

さっきの流れの変わりよう、

あれすごいよ。


あれは相手が混乱する。

俺も混乱したし。


いざとなった時の秘密兵器！！みたいなの、




・・いいねぇ。」



のだしんはそういって、

嬉しそうに言った。



「おんなじものばかり食べないで、

野菜も食べなさいよ。」


結実はのだしんに世話をやくように、

肘でつつく。




「二人に、

話しておきたいことがあるんだけど。




・・・・あのね。


Ｗ杯に出場が決まっても、


決まらなくても、


海外への移籍を考えてるんだ・・・。」





『ええっ？！！』


二人は私の言葉に驚いて、声をそろえた。





「・・・・何度か

大きな話があったみたいなんだけど、


今までは、それにのらなかったみたい。




でも、


今回のオファーは、隼也が受けたいって。」




「どこ？」


のだしんは身を乗り出してきいてきた。




「ドイツ・・・・。」




「ドイツ？！！




・・・まさか、


バイエルンミュンヘン？」





「・・・・・・そう。」





「・・・・マジかよ・・・。



すげえな！！



これは行くしかねえな！！


俺、ドイツ遊びに行くから。」



のだしんは、大興奮だったけど、

結実はどこか寂しそうな顔をしてた。



「まだ決まったわけじゃないけど、


もし移籍が決まったら、


結実も一緒に・・・。」




「うん・・・って

言いたいけど、


遠すぎるから、行けないよ。


・・・仕事、何日も休めないし。」



結実はそういって、

のだしんのお皿に野菜を置いた。

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