俺の家庭教師はね

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慧くんのお友達にも会ったここは、慧くんのお家がある道。

今週の家庭教師はいつもとは違う。







「毎週毎週、慧がごめんなさいねぇ」


慧くんによく似た美人のママはそう言うけど、俺こそごめんなさいと言いたい。







「母さんに先生の家に行きすぎだからたまにはうちに呼びなさいって言われて」



先週の勉強の時にそんなことを言われて、今日は俺が慧くんの家に来た。






慧くんのお母さんは俺が好きなオムライスを作ってくれて慧くんとふたりで食べた。


久しぶりに人の手作りご飯を食べて、なんか、泣きそうになった。


慧くんのお母さん、昔から知ってるけど、すごくいい人なんだよね。




それなのに俺は……。




俺は家庭教師のくせに、慧くんが欲しいとか、慧くんに虐められたいとか不純なことばっかりに思って……。




慧くんには未来があるのに。






「先生？」



「なに？」

「泣いてるよ、どうしたの？」





親指が俺の涙を拭った。

勝手に感傷に浸って勝手に涙が出ていたらしい。



慧くんが優しく拭ってくれても後から涙が止めどなく出てきて、奥歯をグッと噛んで耐える。





「先生、俺の部屋行こう」










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