俺の家庭教師はね

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そして速攻でクビになると思った家庭教師は中学受験が終わるまで続いた。



ただ隣に座ってるだけなことが多かったけど、でもそれが何故か心地よくて、こんなんでお金もらうのもなんか申し訳ないから給料はお小遣い程度に減額してもらった。

慧くんのお母さんは渋ったけど、俺何にもしてなかったから。



受験は余裕の合格で、先生！合格したよ！ありがとう！と珍しく満面の笑みで俺に行ってくれた。


そんな慧くんが可愛くて、良かったね、頑張ったもんねと言って頭を撫でた。






寂しいけど家庭教師の仕事はそこで終わり。


それ以降はもう会うことなんてないと思っていた。






だけど俺が大学生になってから、慧くんの高校受験でまた家庭教師として派遣された。


慧くんはあの頃よりも更に大人びて、顔付きは少し男らしくなって、将来イケメンになるんだろうなと思った。


やっぱり俺は慧くんの隣にずっと座っているだけ、たまに質問してくれるから答えると、すぐ理解してすいすい問題を解いていくから、本当に俺がいる意味が分からない。


英語に至ってはちんぷんかんぷんで横でググりながら教えていたし、ポンコツすぎるな、俺。






でも前と少し変わったのはたまに慧くんが俺の手を握ってくる。


ただ繋いでるだけ、それだけなんだけど、そうしてきたときの慧くんは少しだけご機嫌な様子だった。


そしてまたまた余裕の合格で終えた高校受験。






また寂しくなるなぁって思った。


慧くんもそう思ってくれていたのか最後にぎゅっと抱きしめ合ってお別れした。










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