天てれ小説〜いつか晴れた日に〜

気持ち　３ ページ37

「・・・・・Aは？」




「それが、動かんねん。

顔もこわばって、固まってる。





どうしよう・・・。」



俺は慌てて、

寿々歌と一緒に、

グランドにいるAの方へ走っていった。




Aの様子を伺うように、

顔をのぞくと、


普通に俺と目をあわせて、微笑んでくる。







寿々歌が言ってたような感じではなかった。





寿々歌の方に視線をうつすと、

不思議そうな顔をして、

Aをみていた。



「今、うちのクラスが勝ってるんだよ。」



Aはそういうと、

大きな声で応援しはじめた。





玲音がバッターボックスにたつ。



守備の奴らが前へ出てくる。


遠くへは飛ばないと、

はじめから玲音を見下している。





でも、


玲音は思いきりバットを振って、

ボールを遠くへ飛ばした。




「すごい、すごい！！」


Aが、拍手を送りながら応援する。



玲音は、自分を過信しないで、

１塁で足をとめた。




そして、こちらの方をむいて嬉しそうに微笑むと、


女の子たちから黄色い声があがった。






”もし、僕の活躍で試合に勝てたら、

僕とのこと、考えてほしいんだ。”






俺は、意外な活躍をみせる玲音と、


声援をおくるAをみて、


複雑なきもちになった。

気持ち　４→←気持ち　２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す