果物は聞いてしまった ページ12
ついに、…
ついに、着きましたーーー！！
東京に！！！！
うちは…うちは頑張った…
野を超え(ウソ)
山を超え…(大げさ)
そして…
屍を超えて…！！
…ただの酔っ払いである。
「東京ってすっごいねんなぁ…！！」
…
…ただの酔っ払いである。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•
クラスメイトの話を聞いた後…
蜜柑はキレ…いや、泣いていた。
「なんで…なんでや蛍…」
ウソつき…
夏と冬のお休みには帰ってくるし、手紙だって…出すて言うてたやん…
蛍…
それが聞こえたのはその時だった。
「この度は寄付をありがとうございました。これで学校が存続し続けることが出来ます。」
「いいえ…これが蛍の希望でしたから…学園からの給付金は、この…学校に使って欲しいと…」
え…今の声…蛍ママ！？
「あの子はこの町が好きでしたから…今まで転校続きで碌に友達も出来ずやっと心から打ち解け合える友達…蜜柑ちゃんと出会うことが出来たこの学校を…たとえ自分がアリス学園に行ってでも…守りたかったんだと思います。」
「…今井さん…」
「あの子がアリスだと分かった時点で遅かれ早かれこの日が来ることは理解しておりましたから…ただ、今は、あの子がこんな気持ちを持ってくれたことが嬉しくて…
あの子は変に不器用でこんな形でしか自分を好きになってくれた人達に気持ちを表すことしか出来なくて…」
「今の…今の話って本当？」
「…！？蜜柑ちゃんっ！」
「うちらが…貧乏やったから蛍はアリス学園に行くことになったん？なんで蛍ウチらに黙って…！！てっきりウチらのことどうでもよーなったんやって…！！」
「違う…！！違うの！蜜柑ちゃん！蛍は…遅かれ早かれあの学園に行くことは絶対に避けられないことだったの！だから…だから、多分、蛍は1番蜜柑ちゃんが悲しまない方法でここを去ろうとしたんだと思うの…！！」
そんな…！だって蛍…
ーあたしのこと悲しい思い出になるくらいやったら…
いっそ…
いっそ怒って…そして忘れて…ー
あぁと蜜柑は不意に理解する…。友達の…親友の…あまりにも…不器用な愛情を…
「…蛍は酷い」
蜜柑はポタポタと大粒の涙を流しながら言う…
果物は飛び出し、転生者はドン引く、作者も引いた→←とある果物によるカクカクシカジカ！
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作者名：リリアン | 作成日時：2022年6月22日 23時
