秋桜（by.ROOMS）6 (ページ2)

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「和は？」

「まだ、帰ってない。
翔ちゃんが目に見えて沈下しているよ」

「智は？」

「今、ネット教えていた。
ニノが教えた方がいいんだろうけど、
簡単な検索方法とかだから」

斜め前後に並んで階段を下りながら2人で会話を交わす姿が、モデルのように見える。
階段の少し上から、2人を眺めて、その素敵な光景を少し堪能する。

「「？」」

遅れがちになる私を振り返って、不思議そうな顔をする2人。

「////」

………なんだか、眼の保養をさせていただきました。

ログハウスに着くと、ダイニングテーブルに隣り合って座っているサトシさんと、櫻井さんがいた。

5席もあるのに、向かい合ってではなくて、隣り合って座っている様子が、仲良し感を醸し出していて可愛いらしい。

テーブルの上にノートパソコンを出して、マウスをクリックしながら口を尖らせて真剣に画面を見つめるサトシさん。
その横で、左腕を伸ばして耳をつけるようにして顔を乗せ、サトシさんの様子を見つめる櫻井さん。
いつもと逆転したような有様。

「ただいま」

「「おかえり～」」

同時に顔を覗かせたサトシさんと櫻井さんが、私の姿を見留めて姿勢を正す。

「こんにちは」

「こんにち、」
「昨日はごめんっ！」

サトシさんの挨拶を遮るように櫻井さんが立ち上がって謝罪を口にする。

「大人気ない態度を取ったかもしれないって、後から思って……
本当にごめんなさい」

私に向かって頭を下げる櫻井さん。
私どころか、相葉さんも松本さんも唖然として見ている。

「そんなっ、謝らないでください。
何も、大人気なくなんか……
櫻井さんはいつだって大人です！」

「「「「？」」」」

「えっと、私にとっては、いつも通り、
の、櫻井さんでしたっ。
昨日も。いつも通りの、」

「ぷっ、あはははは」

食い入るように私を見つめていた櫻井さんが、突然、爆笑する。
いつもみたいに、涙袋を膨らませて、眼を細めて。

その姿を見て、ホッとする。

櫻井さんが私の気持ちを汲んでくれて、
私は笑顔に救われる。

………本当は謝るべきなのは私なんだけれど。

黙って出かけてごめんなさい。
サトシさんを連れ出してごめんなさい。
心配かけてごめんなさい。

でも、私が謝ってしまうのは、何か違う気がした。

謝ったら、何かを否定することになりそうで、謝罪の言葉をググッと飲み込んだ。