ROOMS（ARS）1 (ページ13)

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2.1（sideN）ページ13

翌朝10時。
5分前に会社の東棟へ着くと、既に万全といった状態で待機している翔さんがいた。

「はよ。翔さん」

「おはよ、和。…って制服？」

「だって、普通に学校行くフリしたもん」

「もんって…///、おまっ、カメラ映ったら一発で和ってバレるぞ」

顔を赤らめたり、青ざめたり、やっぱり赤らめたりしながら、早口に翔さんがまくしたてる。

「そんなヘマしませんよ。
ま、そうなったらそうなったで、覚悟しなきゃいけないような事をしている自覚はあります。
もし、侵入者がいるって騒ぎになったら、外部犯じゃないって一発でわかってもらわなきゃ、
会社の損失が大き過ぎるでしょ」

「なんて無邪気に、合理的な話を」

眼を細めて、噴き出すように翔さんが笑う。
…吹っ切れたみたいで、良かったと思う。
どうしたって無理矢理巻き込んだ感は拭えないから。
でも、この計画には翔さんが絶対必要だった。
親からの信頼とか、明晰な頭脳だけじゃない。
俺が安心して、事を明らかにしていくための、絶対的な御守りとして。