GRAY 1 〜Light gray〜

今後の見通し ページ27

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「大野サンが俺の手を引いてくれた時、
すごい気持ちが楽になったんです。
瞬間で、違う場所へ連れて行かれたような」


「どこでもドア的なっ？！」


「相葉クン、1分くらい黙ってもらっていい？」


ニコニコと無邪気な笑顔で、
時に俺より辛辣に相葉サンを鎮める潤くん。


ーーーこういうやりとりに、
あの2人が加わったらはどうなるんだろう。
相葉サンに圧倒されちゃうかな？
想像するとおかしくてクスッと笑ってしまう。


「大野サンのオーラをミたらさ、
すごい小さかったんだけど。
たぶん、本当は大きくて……深いオーラを持ってるんだと思うんだ」


「……深い？」


「んー。残念ながら的確な表現が思いつかないわ。
とにかく、その2人に救われたのは事実ってとこ」


「まー、ニノは色で人が分かるから
悪い人ではないんだろうけど」


「悪い人どころか」


「どころか？」


「……会えば分かりますよ」


「「ふーん？」」


不思議そうに首を捻る2人を見ながらも、
心は踊る。


今日また、
大野サンと櫻井さんに会える。





「……と、言うことで、
今日から1週間、同じ電車に乗って探そうってなったんです」



「探すってっ、殺人鬼を？！」



相葉サンが
演劇部もびっくりの発声練習みたいな大声をあげる


「「シーッ！」」


思わず潤くんと2人で相葉サンの口を塞ぐ。


「まだ、殺してないって！」


「鬼、はないでしょ！」


潤くんと交互に突っ込む。
相葉サンが絡むと、
物騒な話しもコメディーめいてくるから不思議で。


「ニノ、俺、それ反対」


キッパリハッキリクッキリ、潤くんが一刀両断にする。


「危険過ぎる。
ニノが関わる必要ねーよ。
それに、殺意なんて……たぶん誰でも簡単に持つ」


瀬尾サンの彼氏に、
理不尽にも刃を向けられたことのある潤くんは


身を持って、人の魔を知っている。


「それに、気持ちって簡単に変わるもんだしね」


相葉サンが、
少し痛そうな笑顔を浮かべて、潤くんに続く。


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