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出会い/N ページ1

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『LIGHT GRAY』


side N


なんだ?このイロ


ゾワゾワ、と
足元から駆け上がってくるモンをミて
身体を竦める。


なんで急に?
どこから?


ほんの5分前までなんともなかったのに


1駅前からか?


今までミてきたイロとは全然違う
属し場所である人を探すのが難しいくらい
モヤモヤと立ち込めながら広がるモノ


やっぱり、
2人について来てもらえば良かったかもしれない。


『実家から帰るくらい余裕だ』
なんて言って


『今まで1人で全部やってこれたんですから』
なんて言って


『イロなんかミえるだけで大した害はないんで』
なんて言って


『迎えに行くよ』っていう、相葉サンと潤くんからの過保護な申し出を全力で断ったけど


コレ、結構、追い込まれた状況なんじゃないの?


イロが増殖していく
逃げ場ないハコん中


本当……ヤバイ、な。


キツ……





ーーーガシッ





突如、左手首を誰かに掴まれる


「平気?次で、降りるぞ?」


知らない人が
俺の手首を掴んだまま顔を覗きこんできた。


「……っ?」


「目ぇ、閉じて?
意味、ないかもしんないけど」


細くて長いしなやかな指
綺麗な手


俺と同じくらいの背
同じくらいの年齢に見える容貌
高く通った鼻
柔らかそうな睫毛に覆われた静かな


……静かな瞳


コクコクと小さく2度頷き了承を伝え
そっと瞼を閉じる。


俺の中で急激に広がる安心感


何故か、
この人には俺の状態がよく理解できているんじゃないかと思えてきて


彼の言うまま、応じた。


左手首から伝わる体温


優しく
でも
しっかりと握り締められた手首


そこに神経を集中させると
今、電車の中だってことも
そこでヤバイもんをミてしまったことも
忘れそうになる


ーーー穏やかに凪る海に誘われたみたい


頭上を照らす太陽の光を海の底から見上げて
揺蕩う波を映すみたいな


穏やかでひたすら静かな感覚に落ちていく


「あと少しだから」


身を委ねたくなるような心地良い声が
頭の中を漂う




「……智くん?
ちょっとどうしたのよ、いきなり。
っていうか、何してんの?」


『彼』の『友達』なんだろう
こちらに向かって話しかける声がした。


たぶん、
急に場所を移動した『彼』を追ってここへ来た。


それで『彼』に疑問を投げかけているってとこ?



.

氾濫するイロ→



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えりんこ(プロフ) - のっちさん» のっちさん。はじめまして♪コメントありがとうございます。コメント書くの緊張しますよね。ご記入いただき、バンザイ!です。日常ギリギリな能力系………と言う感じで。笑。そしていつもダラダラと長引くんですが、よろしくお願いします。 (2014年11月3日 16時) (レス) id: 2d15dcb922 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - さくらんさん» さくらんさん。こんにちは♪本日2度目のご来店ツクールで、さくらんさんのコメ発見して、こちらでの相葉サン並みにテンションあがっちゃいました。また、ウダウダと長い話しにしちゃいそうな香りがぷんぷんしていますが、ご愛顧の程、よろしくお願いします!感謝です。 (2014年11月3日 16時) (レス) id: 2d15dcb922 (このIDを非表示/違反報告)
のっち(プロフ) - 初コメです! 凄い楽しい!能力があるおかげで成立する、どこか非現実な感じとか、その中にいてもいたって普通な嵐さんがとっても素敵です!これからも更新頑張って! (2014年11月3日 15時) (レス) id: 507020451d (このIDを非表示/違反報告)
さくらん - こんにちは。最近なかなかこちらに来て読むことができなかったので、ホームシックならぬえりんこさんシックになっていました(笑)本当に読めて嬉しい(^-^)意気投合し仲良くなった大宮な2人とその2人を守るようにして傍にいる3人...とても素敵!今後の展開が楽しみデス! (2014年11月3日 13時) (レス) id: 7891818c75 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - うるさん» うるさん。ご出陣いただき、ありがとうございます!私、すっかり車生活で、実家の方を一生懸命思い起こして書いていました。通勤通学、めちゃ混みですよね。黒白では収まったのに、結局移行しそうな自分にズドンです。私の澱んだ気持ちが出ませんように。コメ感謝です。 (2014年11月2日 21時) (レス) id: 2d15dcb922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんこ
作成日時:2014年10月24日 23時

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