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身内だとか、幼馴染だとか、よっぽど近しい人間じゃない限り、2日続けて見舞いなんて来ないもんじゃないのか。
今日、初めて会った間柄で、ここまで見舞いに拘るって、どうなんだろう。
「………ちょっと、歩かない？」
自転車に乗って戻ってきた智くんを見て、そう訊くと、智くんが無言でサドルから下りた。
駅までは、歩いて30分くらいの距離。
決して近くはないけれど、話しながら歩くにはちょうどいい気がした。
自転車を真ん中に、俺と智くんが並ぶ。
「鞄、入れたら？」
「え？あ、うん」
若干、手持ち無沙汰になる感じが居心地悪くなるんだけど。
智くんに言われるままに、鞄を自転車カゴに入れさせてもらう。
「ありがとう」
「ん」
「サンキューです」
「………」
なんとなく2人の間に広がっている微妙な空気を払いたくて、告げた軽い口調は、智くんに届くことなく宙を漂う。
車道を何台かの車が行き過ぎる。
歩道を行く人はいなくて、すぐに、俺と智くん、2人の世界になる。
互いに無言で、時々、俺の足にぶつかってから回るペダルがカラカラ、と虚しい音を響かせる。
俺にとっては雨でもなんでも来ようとしてくれる智くんが不思議で、
智くんは雨なら延期しようとする俺の感覚がわからないらしい。
考えてみたらそれだけ、のこと。
なのに、何か腑に落ちないモノがある。
気まずい沈黙の中、ふと、脳裏を横切った「噂」。
『事故で生死の境、彷徨ったらしいよ』
『1年休学する程だもんな』
………智くんも、長期入院、していたのかな。
それで、祐樹の気持ちがよくわかるのかな。
「智くんとこにも見舞い、結構、来たの？」
智くんが歩みを止めて、俺を凝視した。
そこで、自分らしくもない失態に気づく。
唐突に、不躾に、何てこと口走ったんだ、俺？！
「………あ、いや、ごめんっ！！
………ごめん」
素直に謝罪する。
弁明もない。
智くんは、睨み付けるでもなく、ため息をつくでもなく、一瞬、考えるように宙を見た後、ボソボソと話し始めた。
「………俺が事故ったの、ばあちゃん家の方だし。
俺、面会謝絶だったから、家族とか以外は、あんま………」
再び、車輪は回り始め、智くんの歩みも再開する。
自転車二つ分の距離ができて、智くんが再び止まり、振り返る。
「何してんの？翔くん」
歩き出せずに、固まる俺を見て
純粋に、疑問として投げかけてくる智くん。
………気後れ、していたんだ、アナタに。
申し訳なくて。
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えりんこ(プロフ) - あひるさん» あひるちゃん、こちらにもいらしてくれたのね(TT)ありがとうね。時間のあまり取れない中、お付き合いいただけたのがありがたく嬉しくです。こちらの翔さんは優しさ6割 賢さ3割 残念さなキュートさ1割で生成されていますので。笑。何がので、やねん。本当、感謝感謝感謝 (2017年5月15日 15時) (
レス) id: 0428e73e41 (このIDを非表示/違反報告)
あひる(プロフ) - 結末を知っているからこそなのか、3人が幸せそうに声をあげて笑っているシーンでボロボロ泣いている自分。どうするの明日の顔。翔さんは優しいな。大野さんが告げた真実で、大野さんの孤独を想うんだから。 (2017年5月15日 0時) (レス) id: bcdb6e0c35 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - いなばさん» 作品を作れるように努力したいです！←心意気だけは立派？笑。ありがとうございました！ (2015年9月11日 23時) (レス) id: 5c7989ada0 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - いなばさん» で黒、白作っちゃったから、ちょっとガタガタな感は否めませんが。それにしても、こうして懇意にしていただいて、すごくすごく書き手していて良かったと思えます！いなばさんとの出会いにも本当感謝！贅沢にツクを楽しめています。いなばさんをきゃーきゃー言わせる (2015年9月11日 23時) (レス) id: 5c7989ada0 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - いなばさん» いなばさん〜！！こちらにも、ありがとうございます！今思うと、策に溺れた感があって（笑）黒、白→灰色って読み進めないと灰色の出だしから話しに入っていくのに本当に一苦労するんですよね〜。←他人事みたい。3つが独立しても楽しめたらいいな、と思って灰色ありき (2015年9月11日 23時) (レス) id: 5c7989ada0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんこ
作成日時：2014年9月28日 20時
