7 ページ7
.
ジェミン「ジェノが結婚するって言った時どう思ったの？」
唐突に聞かれてもさすがに返事に困る。話の内容が変わることなんてよくあるけどこの質問は聞かないで欲しかったな、なんて
「……どう、って？」
ジェミン「悲しいとか、驚いたとかあるでしょ？」
「…びっくりしたよ、突然だったし。ジェミンも驚いたんじゃない？」
ジェミン「俺は知ってた。前から聞いてたんだ」
「そ、っか」
ジェミンはジェノの親友で、二人は中学生のころからずっと一緒だったらしいからそりゃあ結婚報告ぐらいするよね
ジェミン「教えればよかった？」
「え？」
ジェミン「あの場で本人の口から聞くより先に俺が教えてれば良かった？」
「…ううん。」
ジェミン「本当に？」
「本当だよ。だってどっちにしろ結婚するのには変わらないじゃん」
そう。変わらない。昨日のことだけど夢ならいいのにって何回思ったか。いつもみたいに、ジェノが「冗談だよ」って笑って返してくれたらいいのにって
でも、昨日渡された招待状が現実だと分からせる
ジェミン「A泣かないで」
「泣いてない」
ジェミン「じゃあこっち見て」
「やだ」
ジェミン「…Aは本当にジェノが好きだね」
「…」
ジェミン「でもジェノはAを選ばなかったんだよ」
「、分かってる」
ジェミン「…好きになった相手が悪かったね」
ふとそう聞こえて思わずジェミンを向くと何故か悲しそうな顔をしていた。
……どこかで、同じようなセリフ、聞いたような
「…私がジェノを好きになったらダメだったの？この8年間無駄だって言いたいの？」
ジェミン「違う。」
「じゃあどういう意味よ、」
ジェミン「ジェノじゃなくて、俺を好きになればいいのにって」
私が声を出すよりも先に抱きしめられた腕の力は今まででいちばん強くて少し震えているのがわかった
私たちの関係が動き出す23歳の初夏
……来月はジェノの結婚式だ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：heri x他1人 | 作成日時：2023年5月28日 21時
